進学塾nend

Nend Community News 2024-2月号 電子版

   

今月の言葉

人は、全く手を差し伸べない人よりも、差し伸べた手が不十分である人に対して怒りを向ける

───anonymous

トピック『書かれた通りに読むのは難しい』

 勉強が苦手な子は、書かれた文章をそのまま読み取る能力が低い、という主張をネット上で見つけました。実際、国語を音読させてみると「髪の毛はその部分によって、タンパク質のでき方のちがいがあります」という文を「髪の毛はその部分によって、タンパク質のでき方がちがいます」のように間違えて読む子は多く、文字通りに文を読めていないばかりか、自分が理解しやすい文へと無意識に変換を行ってさえいます。正しく文が読めていなければ、知識を間違って吸収したり、問題文を読み間違えて解答を誤るということが起こることも十分うなずけます。

 算数でも同様です。台形の面積は(上底+下底)×高さ÷2により求められますが、この公式を使うことなく、対角線によって2つの三角形に分割してこれらの面積の和によって求めることもできます。このようにして台形ABCDの面積を三角形ABCと三角形ACDに分けて求めてみるという問題で、まず「三角形ABCの面積を求めよ」とあるのですが、子どもたちは台形ABCDの面積を公式を使って直接求めようとします。そうではなく、三角形ABCの面積を求めるのだと指摘すると、なぜ台形の面積を求めずに三角形の面積を求める必要があるのかと混乱してしまいます。問題文には「三角形ABCの面積を求めよ」と書いてあるにもかかわらず、その指示や意図が読み取れないのです。

 このように、「書いてあることが読み取れない」「書いていないことを創作して読み取ってしまう」ということは、勉強の苦手なお子さんが抱える問題のひとつといえるでしょう。新しい知識にであったとき、自分の理解できる範囲に合わせて文章を簡略化・単純化してしまい、その結果曲解や誤読を招くことが原因です。

 ひと昔前、朝日新聞の天声人語を書き写すことで語彙力と文章力が身につくとされ、これが家庭での学習の取り組みとして推奨されました。今は新聞を取っている家庭も少ないため、お気に入りの作家の文章を書き写すという方法がよいでしょう。そこに書いてある通りをただ読み書きするのにも意外な発見があるかもしれません。ご家庭でも音読や書写を通して子どもがどのように文章を読んでいるかに注意をし、読み飛ばしや省略など、誤読の多いお子さんにはこれに意識を向けさせてみてはいかがでしょうか。
 

「ねんちる」第192段

 先日、S君のお母さまからS君の進路が決まったとのご報告を頂いた。S君はこの春高校を卒業し、そのまま地元の製薬会社に入社するという。全国的にも名の知れた堅実な企業で、本当に誇らしいことだ。

 S君は小さい頃から野球一筋で頑張ってきた。小柄で目立つタイプではないけれど、マイペースで地道な努力を続けられる子だ。中学1年生の終わりにスクールで預かった当初は勉強のしかたも身についていなくて部活と塾との両立にもかなり苦労をした。そんなS君だったけれど、お母さまはスクールでの面談ではいつも細かくメモを取り、スクールからの提案や助言を取り入れて、S君を支えてくださった。高校入試では少し高めの中堅校にチャレンジしてみごと合格。高校ではソフトボールに転向して国体選手にも選ばれるなど華々しい活躍をみせてくれた。

 S君のこれからを期待している。

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