進学塾nend

Nend Community News 2023-11月号 電子版

   

今月の言葉

「そんなことして何になるの?」という疑問を投げられて自分には自明でいくら説明してもわかってもらえないとき、君はまさに宝庫の目の前にいる

───anonymous

トピック『回せ、やる気タービン』

 「やる気スイッチ」などという言葉のように、やる気はなにかのきっかけでぱちんと入るように感じている人も多いでしょう。あるいは「やる気を出しなさい」という言葉に表されるように、やる気というものが自分の意思で引き出すことができると考えている人も多いかもしれません。普段からこのように考えている人は、いざ勉強をしなければいけない場面で、やる気を理由にやるべきことを後回しにしがちです。
確かに、人間だれしもやる気が出ないことはありますが、だからといってやる気を出させてくれる何かを待っていてもしかたがありません。やる気というものは0から1へと即座に切り替わるものではなく、0の状態からゆっくりと大きくなっていってついには1の状態、あるいはそれ以上に変化していくものなのです。私はこれを「やる気スイッチ」ならぬ「やる気タービン」と名づけようと思います。

 「やる気タービン」はある程度の回転数が得られると自ら回転を始めますが、初めはひとりでには回転しません。そのため、最初は私たちの手で回転を手伝ってあげる必要があります。
 勉強をしなければいけないけれどやる気がでないとき、まずはいやいやながらでも机に向かってワークやドリルを解き始めましょう。問題を解いて〇つけをし、間違ったところを確認するなどの行動を通して「やる気タービン」は少しずつ回転を始めます。初めは抵抗が大きいため動き出しづらく、行動をやめればタービンはすぐに止まってしまいます。しかし、行動を続けることでタービンは回転を続け、一定以上に回転すると、ほっておいてもここからやる気が次々と生み出されていきます。こうなればよいサイクルが形作られて、すべての行動が楽になります。すなわち、〈やる気がない→勉強できない〉で終わらせるのではなく、〈やる気がない→勉強を始める→やる気が生み出される→勉強が楽になる〉のように、実際に行動を起こすことがやる気を生み出すために重要だといえるでしょう。

 そして行動を起こすためには、自分を客観視する必要があります。「勉強したくない」と弱音を吐くのではなく、「自分は今勉強を嫌がっているな」と自覚し、これを認めたうえで行動を始めることがやる気につながっていきます。あなたの「やる気タービン」をあなたの手で回していきましょう。

「ねんちる」第189段

 昨日Rちゃんから某総合大学の体育学科への合格の連絡を頂く。AOでの受験で、微力ながらレポート作成を手伝っていたためとてもうれしかった。
Rちゃんは小学4年生でお預かりした当学年の最初の生徒で、初回の体験時に3kmも離れた遠い自宅から小さな足で歩いて来てくれたことを覚えている。最初は一人きりだったけど、友達が入ってきていつしかクラスもにぎやかになった。いつもケラケラ笑って明るく、小学校から習っていたバレーボールも中学では部活の主力となり、部活に勉強に一生懸命がんばる子だった。中学では良い成績を維持して県内の偏差値上位の高校に入学した。
 スクールでは小4から生徒を預かると中3までに6年間その子の成長を見続ける。Rちゃんを中心とする学年は常に明るく前向きで、笑顔が絶えない学年だった。Rちゃん、良き体育の先生になってね。

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