進学塾nend

Nend Community News 2023-8月号 電子版

      2023/09/11

今月の言葉

「あの人は自分のことを認めてくれるからいい人」という判断は危ない

───anonymous

トピック『「学習性無力感」を与えないで』

 子どもにいくら注意しても叱っても、殻に閉じこもったように無表情でろくに返事もせず、自分から一つも行動を起こそうとしない。お子さんがこういった状態になったら危険信号です。どんなに頑張っても何も変わらないし、努力してもしなくても結局は叱られるだけだと(意識する・しないを問わず)無力さを感じて抑うつ状態になってしまうことを「学習性無力感」といいます。

子どもの象を鎖につなぐと、激しく抵抗して逃れようとしますが、どうしても逃げられないことがわかるともはや抵抗しなくなり、成長して簡単に鎖を引きちぎることができる大きさになっても逃げようとしなくなります。象は「どれほどがんばってもこの状況からは逃れられない」という無力感を「学習」したのです。叱り続けられた子どもはこれと同じ状態に陥ります。そして、学習性無力感は勉強時間や宿題を親がしっかり管理し、勉強のやり方や覚え方、学習環境の作り方などをアドバイスされている子ほど陥りやすいといえます。

子どもはもちろん、初めは勉強に意欲的です。しかし、親から勉強のやり方やその結果について色々口を出され、自分の思うようにできないことにストレスを感じるようになります。子どもは間違えながら、試行錯誤を繰り返して少しずつ上達していくものです。ところが、間違えると叱られ、間違えないようにすることばかりに気をとられると、無力感が増していくことになります。

さらに、親が勉強のやり方に口を出し、アドバイスをしようとする場合、その通りに勉強してみて結果が出ない場合に、親としても「こんなにアドバイスしてもダメなんだから、うちの子はどうしようもない」という感情に陥り、子どもを叱り始めるようになりますし、子どもとしても「こんなに手伝ってもらっているのに、言われた通りにできない自分は、ダメな人間なんだ」と自ら試行錯誤して失敗したときに比べてはるかに大きい無力感にさいなまれます。

一度学習性無力感に陥った子どもが、ここから回復するのは容易ではありません。子どもがこのような状態にならないためにも、子どもの勉強に親が口を出さないようにし、その結果について積極的にほめてあげるようにしましょう。子どもの勉強は子どもに任せるのが一番だということです。

「ねんちる」第186段

ネットの記事に「お嬢様か大阪のおっちゃんか」を当てるクイズがあって、例えば「こんなの初めて見ましたわ。これはいったいなんですの?」→「(正解)職場に社外品が運ばれてきたときの大阪の整備士のおっちゃん」のように、大阪弁とお嬢様言葉はイントネーションの違いだけで実は同じ言葉というジョークがある。

僕は大阪生まれの大阪育ちで、バリバリの関西弁なんだけど、「今日は宿題なしにするわ」「それでいいわ」「それは違うわ」などのせりふを優しく言っていると、いつの間にやら「ねんどの先生はオネエ」だとのウワサを(意図的に)流すヤツが出てきた。滋賀県出身の尾木直樹先生(通称「尾木ママ」)があのようなパブリックイメージになったのは、こうした言葉の文化の違いがあるのではないだろうか。
ともかく、今度オネエと言ったら〇しますわ(にっこり)。

 - Nend Community News, 心理・教育