進学塾nend

Nend Community News 2023-4月号 電子版

      2023/09/11

「今月の言葉」

あなたが自分に意識を向ければ、あなたが成長します。あなたがクソに意識を向ければ、クソが成長します。

───ドウェィン・ジョンソン(俳優・プロレスラー)

トピック「質問のススメ」

質問をすることは、疑問点や不明瞭な点を解消するうえで重要です。
疑問に思うということは、そこにわずかでも知識と関心をもっているということです(たとえば「バロック美術について何でも質問してください」と言われても何を質問したらよいのか分かりませんね。何も知らないからこそ質問すらできないという状態は存在します)。これは発芽したての小さな子葉のようなもので、疑問を解消しなければそのまま枯れてしまいます。
今はなんでもスマートフォンを使ってネットで検索できますから、ちょっとした言葉や慣用句などのほか、「なぜ音は水中のほうが速く伝わるのか」といったことまで簡単に調べることができます。疑問に思ったときにすぐに調べられる現代は勉強にとってよい環境になりました。
しかし、算数や数学の計算のようにネットで調べるには不向きなものもあります。歴史のつながりや政治・経済などのしくみはたくさんの検索結果から自分のレベルに合ったものを選び取るのが難しいかもしれません。この場合、身近な大人や先生に質問するほうが効率がよいといえます。

さて、質問をする際には「とりあえず一から全部教えてほしい」という聞きかたではなく、「このことについて、このような理解でいいのだろうか・それともちがった解釈があるのだろうか」という質問のように、自分の考えを客観的に判断してもらうという聞きかたのほうが効果的です。
たとえば、分数のかけ算「2/3×4/5」の解き方に不安があるとき、「これってどうやるの」と質問するのではなく「これって通分しなくていいよね」と質問するほうがよりよい質問のしかたといえます。つまり、よい質問とは、質問のかたちをとった「確認」だといえるでしょう。

質問には〈答え〉が与えられますが、どうにも的外れな〈答え〉しか返ってこないという経験は誰しもあるでしょう。それは質問のしかたがよくないのです。あなたがどこまで理解しているか、どのように考えているかを提示して、相手に「確認」を求めてみましょう。「こうしたほうがいいのかな」「こういう意味であってる?」という質問のかたちをとった「確認」で、適切な〈助言〉を得ることができます。

よい質問をすることで、相手と相互に知識の確認ができます。理解を深めるために、よい質問をしましょう。

トピック「ねんちる」vol.182

この春に、スクールのスタッフとして一年生の社会を教えてくれていたN君が卒業した。春から社会人として東京のIT関連企業で働くという。
N君はうちのスクールに通っていた別の子のお母さんが「頭がいいし、塾の仕事をしてみたいそうで」と紹介してくださった子で、根っから生真面目で、冗談すら言わなくて、バイト代なんかも全額親に渡していたくらい。それでも意外に工夫好きで社会の教え方や語呂や暗記のしかたなんかも色々考えて子どもたちに提示していた。一生懸命だけど少しズレているところもあって、そこがわりとよかった。「人は長所で尊敬され、短所で愛される」という言葉があるくらいだ。

僕もN君にはいろいろ話を聞いてもらったし、そのたびN君は「…まぁ、そうですね…」しか言わなかったけど、いなくなると本当にさみしいものだ。

 - Nend Community News, 心理・教育