Nend Community News 2022-9月号 電子版
2023/09/11
「今月の言葉」
複数の依存先があることを自立と言い、依存先がひとつしかないことを執着と言います
───anonymous
トピック「親業――子どもにかける言葉(前編)」
「勉強、やる気がでないの」
子どもがこのように言ったとき、どのように声をかけるでしょうか。ご自身の答えを少し想像してください。───いかがですか。
私たちが子どもにかける言葉は次の12の型のいずれかだとされています。
1 命令・指示
「文句言っていないでやりなさい」
2 注意・脅迫
「あとで自分が困るだけよ」「勉強しないならスマホ禁止にするから」
3 訓戒・説教
「行きたい高校にいけるように、今からこつこつ勉強しないとだめよ」
4 助言・提案
「ごはんのあとに毎日30分でいいからやるようにしたら」
5 講義・意見の押しつけ
「そもそも勉強というのは今だけの話ではなくて、これからもずっと必要なのよ」
6 批判・非難
「そんなこと言うのがおかしいわ」「甘えてるんじゃない」
7 称賛・同意
「あなたはやればできるわ」「あなたの言うとおり」
8 侮辱・嘲笑
「甘えんぼだね」「じゃあ一生スマホで遊んでいれば」
9 分析・診断
「勉強が難しいからってあきらめてるんじゃない」
10 激励・同情
「やる気がでないときもあるよね、わかるわ」「がんばってね」
11 質問・尋問
「勉強がいやなら、何をしたいの」
12 中止・注意をほかへそらす
「そんなこと忘れなさい」「あとでおやつ買ってあげるから」
この12の型は残念ながらどれも子どもに対するよい返答ではありません。
例えば、3や4のような返答では「お母さんは僕・わたしの気持ちをわかってくれないんだ」「僕・わたしのことを子ども扱いしているんだ」というメッセージを受け取る可能性があります。また、10や12の場合でも「僕・わたしがどんな気持ちでいるか、関心がないみたいだ」「僕・わたしの悩みを真剣に聞いてくれない」というメッセージを受け取るかもしれません。これは、あなたの友人が「仕事辞めようかな」といったときに、今挙げた12の型のような返答をするかどうかを思い浮かべるとわかるでしょう。
それでは、子どものちょっとした悩みや不満にどのように答えたらいいのでしょうか。(次号に続きます)
(参考:トマス・ゴードン著「親業」)
トピック「ねんちる」vol.175
叱るというのは難しいもので、〈叱るときには人格を否定するのではなく、その過ちの行為のみを叱るべきだ〉とか言われているけど、子どもからすれば(あぁ、先生は僕が宿題をやってこなかったことを叱っているのであって、決して僕の人格を否定しているのではなく、僕は依然として受け入れられているんだ)と思うだろうか。僕は古いタイプの人間なので、叱るといえば、一発どかんと叱って後腐れがないほうがいいと信じていたときもあった。
昔、スクールの掲示物がカッターナイフで切り裂かれたことがあった。すぐに犯人がみつかり、僕はI君を職員室に呼びつけ、怒鳴りつけた。野球部で僕よりも背が高い中学3年生のI君が子どものように大泣きに泣いたとき、僕は理由すら聞かずに怒鳴りつけた僕の叱り方が間違っていることに気づいた。