進学塾nend

Nend Community News 2020-8月号 電子版

   

「今月の言葉」

いいかベイビー、やらなきゃいけないときには、やらなきゃいけないんだよ。

───ロバート・B・パーカー

トピック「私はできる人」

何の知識も経験もないのにプロの現場にもぐりこみ、ばれないようにウソをつき汗をかきがんばるうちに周りに認められ成長していく。映画では定番のサクセスストーリーで、古くはトム・ハンクスの「ビッグ」、ロビン・ウィリアムスの「ミセスダウト」、近年では連続ドラマ「SUIT」など枚挙にいとまがありません。

“Fake it till you make it”という言葉があります。できるようになるまでできるフリをしろという意味です。できるのが当たり前という環境に身を投じ、自分も同じようにできるフリをしてがんばることで、他人はあなたをできる人として扱い、実際にできるようになっていく。海外留学など、英語を話さざるをえない環境で英語が上達するのは典型的な例です。

人は心の中でいつもブレーキをかけています。それが自分にできることだと想像できないからです。
陸上男子100メートルには過去「10秒の壁」というものがあり、それを越えることは著しく困難だと思われてきました。しかし、ある選手が10秒を切るタイムを出して以降、9秒台の記録がどんどんと出るようになりました。「壁は越えられる」というのが当たり前の空気になったのです。プロスポーツ選手の子どもが同じくプロスポーツ選手になったり、何人も子どもが東大に受かる家庭があるのは、教育のせいばかりではありません。彼らはできるのが当たり前の環境にいるからです。あなただって自分の兄弟が東大に受かれば、自分にだってその可能性を信じるでしょう。できるフリをするというのは、自分にも当然できることとふるまうことで、この心理的なブレーキを取り払う効果があるのです。

人間はやらなきゃいけない環境にあると、必ずできるようにできています。できる人の真似をする、自分もできるフリをする。もちろん口先だけではなく、実際にできないといけない環境の中で、精一杯できることをする。自分はできる。自分はできる。自分はできなきゃいけないし、できるようになれるはず。こうやって自分の可能性を強く信じ、できるフリをし続けることが勉強において最も大切なのです。

―――「狂った人の真似」と言って国道を走れば、そのまま狂人になる。「悪党の真似」と言って人を殺せば、ただの悪党だ。良い馬は、良い馬の真似をして駿馬になる。聖人を真似れば聖人の仲間入りが出来る。冗談でも賢人の道を進めば、もはや賢人と呼んでも過言ではない。徒然草 (吉田兼好著・吾妻利秋訳)

トピック「ねんちる」vol.150

僕の知人の塾の先生に、説教というか説得が好きな先生がいる。授業の時間のほとんどを、なぜ勉強しなければいけないかだの、勝ち組の人間になるためにはどうすべきかだの、彼曰く「やる気を引き出す」ことに費やし、あとは大量の宿題を出しておしまい。確かに子どもたちは勉強をがんばるけど、こういうやり方は好きではない。
別の先生に、ハンサムで身なりがよく、とても優しいけれど、授業が恐ろしく下手な先生がいる。子どもたちの成績は全然上がらないけれど、子どもたちも親も満足しているという。彼については僕は詐欺師だと思っているし、子どもたちに甘えてすらいると思っている。

僕はできた人間ではないけれど、授業に関してはまっとうだし、そこにウソやごまかしはない。どこを見渡してもうちのスクールほどよい塾はない。そう信じて日々がんばっている。

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