代替医療解剖(サイモン シン, エツァート エルンスト)
ちまたにはびこる「代替医療」について、科学的な見地からその効果や信頼性をサイモン・シンと共同著者が考証したもの。
代替医療に縁もゆかりもない人にとっては、目新しいことはない至極当然の事実が書かれているだけだが、現在代替医療にかかっている人の目を開かせるには、これほどまでに時間をかけて辛抱強く説明しなければならないのだろう。
「デトックス」「磁気ネックレス」「サプリメント」になんの効果もないことは、考えてみれば当たり前のことだが、私たちはついそこに安心感や救いを求めたくなる。
代替医療はそのほとんどがプラシーボ効果(=気持ち的な効果)でしかなく、本来かかるべき医療行為をいたずらに遅延させることになる。アメリカやヨーロッパでは非常に大きな社会問題になっているが、日本ではどうだろうか。
サイモン・シンの著作には、「宇宙創成」「暗号解読」「フェルマーの最終定理」など非常に平易で面白くかかれた本が多いが、この「代替医療解剖」については、教科書的な内容で読後感はイマイチ。