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短歌の作り方、教えてください(俵 万智, 一青 窈)

   

短歌の作り方、教えてください
(角川ソフィア文庫)
俵 万智, 一青 窈 KADOKAWA/角川学芸出版 2014年1月25日

tanka

歌手・一青窈さんが、歌人・俵万智さんとの往復書簡による手ほどきで短歌の作り方を学んでいく、という本。短歌を作る着眼点や、守りたいきまり、技法をやさしく教えてくれるのだが…。

まず一青窈さんがアーティストっぽい跳ねっ返りからか、とんでもない短歌ばかりを作る。五七五七七の五句三十一音の定型で作る、というのをそもそも守らない。読者が、まずすんなりと読めない短歌ばかりを作るのだ。

自由な発想やオリジナリティを出していくというのは大事ではあろうが、それはまず、基本を学んでからではないだろうかと深く感じさせるものばかりだった。(一青窈さん自身は素晴らしい歌手で、また短歌を不得手とする読者の代理を演じるという本書のコンセプトを忠実に守っているのかもしれないのだが…。)

“型がある人間が型を破るから「型破り」、型がない人間が型を破ったらただの「形無し」である”というようなことを先人が言っていたが、まさに言いえて妙である。

これを俵万智さんがやさしく根気強く、ていねいにアドバイスをするのだが、これがもつれた糸をやさしくときほぐしていくような、子どもが踏み散らかして台無しにしてしまった花壇をていねいに直していくような、そんな胸のすく内容である。

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