無限
無限に続く。無限。無限についてのお話。
町のはずれにとあるホテルがあって、そのホテルは1号室、2号室、3号室、…と無限の部屋がある。そのホテルはすべて満室で、無限の部屋が埋まっている。
ある客がやってきて、泊めてほしいという。あいにく部屋は満室だ。ホテルの支配人は思案して、1つの方法を思いついた。1号室の宿泊客を2号室に、2号室の宿泊客を3号室に…、と順々に部屋を移動してもらう。幸い無限に部屋があるので、どこまでも移動してもらうことが可能だ。
こうして空いた1号室に、新しい客は無事泊まることができたとさ。とっぴんぱらりのぷう。
無限にも種類がある。
たとえば、無限に続く自然数の集合Aを考える。
A={1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, …}
Aは何個あるか。もちろん無限の数だけあるわけだ。
ここで、集合Aから、偶数を抜き出して、新しい集合Bをつくる。
B={ 2, 4, 6, 8, 10, 12, …}
Bは何個あるか。もちろん無限に続くから無限の数だけある。
でも、どう考えてもAの無限のほうが、Bの無限よりも多い。Bの無限はAの無限の中にすっぽりと包まれてしまうわけだ(A⊃B)。これを無限の「密度」という。
僕たちは無限の未来を持っているけれども、君の未来に比べて、僕の未来はスカスカなのかも知れない。
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