進学塾nend

Nend Community News 2016-6月号 電子版

      2019/10/08

「今月の言葉」

「聞く(listen)」という言葉と「沈黙(silent)」という言葉は全く同じ文字でできている。

──アルフレッド・ブレンデル(オーストリアのピアニスト)

トピック「私の名前を呼んで」

お子さんの勉強に対する姿勢を変えたいのであれば「声がけ」はとても大切です。
「声がけ」というのは、子どもに対して何か変わった様子、困ったことがないかと声をかけることです。
たとえば、
「今日学校どうだった?」
「テストが近づいてきたけど、わからない教科はない?」
「ワークは持って帰ってきてる?早めに終わらせようね」といったものです。

このとき大切なことが3つあります。それは、
〈けっして「~しなさい」という言葉を使わないこと〉
〈自分のして欲しいことを話すのではなく、子どもに話をさせること〉
〈子どもからはっきりとした反応が返ってこなくても続けること〉
です。

一つめとして、たとえば「早く宿題をやりなさいよ」という言い方では、子どもにとって小言を言われている気持ちになります。これでは「声がけ」の意味がありません。
「もう宿題終わった?今のところ学校でわからないところはない?」などのようにしてください。
二つめとして、たとえば「今度のテストはちゃんといい点数とってよ」のように、ついつい自分の要求を押し付ける言い方になってしまうのはよくありません。
「今度のテストはどう?前のテストのときより勉強できてる?」などのように声をかけてあげてください。
ここまででお気づきの人もいらっしゃると思いますが、基本的には子どもに問いかけるかたちにしましょう。つまり、子どもから困っていること、本音や悩みを引き出したいというのが目的なのです。一方的に要求を伝えていると、子どもは殻に閉じこもってしまいます。
そして三つめとして、この「声がけ」は続けることが大切です。子どもが本音を語ってくれるのは、こちらがつねにオープンでいつでも話を聞いてあげるという身構えを感じ取ってくれてのことです。「大丈夫?わからないところない?」と声をかけ続けることではじめて
「実は今、社会がぜんぜんわからなくって…」などのように言ってくれるのです。

「声がけ」は直接勉強を教える以外に家庭でできる、簡単な学力向上の方法です。ぜひ心がけてください。

トピック「ねんちる」vol.100

ゴールデンウィーク中に久しぶりにNちゃんとEちゃんに会った。彼女たちはもう10年以上昔の生徒で、いまだに親交がある。以前は彼女たちがヒマをしていると呼び出されておごらされるハメになっていたのだが、最近はそういった無茶を言い出すことも少なくなった。大人になったのだ。
Nちゃんは東京で小学校の先生をしていて、7年目の今年から新しい小学校に赴任したらしい。前の学校ではひよこの先生として、子どもや親、年配の先生に泣かされることも多かったらしいが、新しい学校では怖い先生としてにらみをきかせているらしい。同じ教育業界で働いている者として、彼女と話していると刺激を受けることも多いのだ。
「小学校の先生って塾と同じようにさ、子どもの学力を極限まで高めたいとか思うわけ?」
何気なくそう尋ねたら、
Nちゃん「当たり前じゃん。勉強ができるようになることがその子の人生をよりよくする一番の方法に決まってるじゃん」
信念を持って仕事に向き合ってると感じた一言だった。

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