進学塾nend

Nend Community News 2021-12月号 電子版

   

「今月の言葉」

失敗とは、転ぶことではなく、そのまま起き上がらないことです

───anonymous

トピック「優しさとは」

中学生のとき、2クラス合同の体育でグラウンドを走っていてつまづいて転んだ。地面に倒れた私の顔の横をたくさんの足が砂ぼこりを立てて通り過ぎる中、誰かがはき捨てるように言った。「だっさ」

子どもの中には、私よりも優れた能力を持つ子がいます。自分より年が若くても、私はこういった子たちをとても尊敬します。野球が上手な子、絵が上手い子。ダンスが得意な子。自分にはないものを持っている子はとてもまぶしく見えます。その中でも私が一番尊敬するのは、優しい子です。私は自分が優しい人間ではないとわかっているので、他人に優しい子は本当にすばらしく思います。時に子どもたちの見せる優しさは、大人のそれより純粋で心打たれるときもあります。

物理的にまたは能力的に満たされている子は人に施しを与えることができます。シャーペンの芯を友達に分けてあげるのもそうですし、野球の上手な子は野球を、勉強が得意な子は勉強を教えてあげることができます。これも優しさの一つといえるでしょう。
しかし、本来的に優しさとは相手に差し出すものがなくてもできるものです。友達を気遣ったり、相手に投げかける自分の言葉を選んだり、落とし物を代わりに拾ってあげたり、ありがとうと感謝を伝えたり、ごめんねと素直に謝れることこそが本当の意味での優しさだと思うのです。
スクールで子供たちを見ていて、この子は優しい子だな、と思う子は本当に尊敬しますし、そういう子の優しさが報われるよう、こちらも最大限の敬意をもってその子に接します。優しい子はみんなから優しくされるのです。

反対に、自分のことばかりを考えて、他人を顧みない優しくない子もいます。そういう子は困ったときに誰からも優しくされないように思います。中学生の頃の私は、優しさに欠ける人間だったように思います。独りよがりで心に余裕がなく、自分のことばかり考えていたように思います。だからこそ、転んだときに誰も手を貸してはくれなかったのだろうと思うのです。

勉強が苦手な子は優しさに欠ける子が多いように思います。周りを気遣う余裕がないのかもしれません。するとますますみんなから敬遠されてしまうという悪循環に陥ります。

優しい子は周りが助けてくれます。言葉遣いや態度を考えてみませんか。

トピック「ねんちる」vol.166

子どもに叱られることがよくある。
僕は長いこと一人で生きてきたから、色々な基準が分からなくなっているんだろう。だからなるべく言うことをきくようにしている。昨年も「トイレのふたはちゃんと閉めて」と言われて、便座はいつも下げるようにしていたのだけど、ふたは気づかなかったので、それからはちゃんとそうしている。

以前Kちゃんという女の子に、何の話の流れだったかわからないけど僕の言ったことが何か悪かったのだろう、叱られてこう言われたことがある。
「きょうまT、女の子はみんなお姫様なんだよ!」

だから大切に扱わなくちゃいけないと続くのだが、この言葉はなんだかよくわからないけど強烈なインパクトで、(そっか、女の子はみんなお姫様なんだ)と頭がくらくらした。
今でも時々その言葉を思い出してはかみしめている。

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