進学塾nend

Nend Community News 2021-8月号 電子版

      2021/08/03

「今月の言葉」

大切なのは過程です。結果だけならジャンケンでいい。

───羽生善治

トピック「読書感想文の書き方」

私なりの読書感想文の書き方のひとつの例を以下に紹介いたします。

〈読書感想文の書き方の手順〉
①テーマを決める
本の内容に共感できる部分や、自分自身との共通点を見つけ、感想文のメインとなるテーマを決める。
②自分自身の体験を書く
a.それを最もよく表している自分自身の体験を書く。
b.自分の体験をもとにして本の内容を解釈し、そこに着地させる。
③まとめる

ここでは「かぐや姫」を例にとって説明しましょう。

【①テーマを決める】
「おじいさん、おばあさんに優しく育てられた」部分に共通点を感じた。自分にもいつも優しい祖父母がいる。これについて書こう。

【②自分自身の体験を書く】
a.私は毎年夏に新潟に帰省します。年齢は聞いたことないけれど、しわくちゃの私の祖母は、いつも笑顔で私を迎えてくれます。祖父は畑に出ていて、家に戻って私の顔を見つけても、ちっともうれしそうではありません。そんな私の祖父母ですが、私を大切に思ってくれていることがとても伝わります。新潟に戻るたびに私は自分の本当の家に帰ってきた気持ちになります。そして神奈川に戻るときには、いつも車の中で私は泣きそうになるのです。かぐや姫にとっても、きっとおじいさんおばあさんはそのような存在だったのではないでしょうか。

b.身元のわからない娘を拾い上げ、大切に育ててくれたおじいさんおばあさん。けっして物語の中心ではありませんが、常にかぐや姫を守るべく大切な役割を演じます。しかし物語の最後に、かぐや姫は月へと去る前に自分の記憶をおじいさんおばあさんの中から消してしまいます。それは、おじいさんおばあさんに悲しい思いをさせたくないという彼女の優しさではないのでしょうか。私はいつも新潟を去るときに想像するのです。私や私の家族のいない、がらんと広い家で暮らす祖父と祖母の姿を。言葉少なく夕食を食べる二人の姿を思うと、私はいつも寂しい気持ちになります。でも私はまた再びそこに戻ることができます。二度と戻ることがないと分かっているかぐや姫は、どんな思いでおじいさんおばあさんの気持ちを消すことを選んだのでしょうか。

【③まとめる】
月と地球ほど離れているわけではない祖父母の住む新潟に、あと何度私は行けるのでしょうか。きっとそのつもりさえあれば、何度でも帰れるはずです。優しいおばあちゃんと、無愛想だけど私を好きでいてくれるおじいちゃんのもとに、私はもう少し足を運んでみようと思うのです。(717字)

いかがですか。読書感想文であっても、自分自身の体験に触れながら書くのがポイントです。ご参考になさってください。

トピック「ねんちる」vol.162

夏になると、スクールの前の通りを中学生が大声をあげながら自転車で走りさっていくことがある。たいていはスクール生の友だちで、気を引きたい、目立ちたい、ちょっとした悪さをしたいだけにすぎない。
ところがこれがエスカレートしていくと、毎晩のように「襲撃」にやってきて、大声だけでなく花火や、自転車の蛇行運転など周りに迷惑を及ぼすことがある。これまでもこういった場合はみな捕まえて「警察と親とどちらを呼ぶか選んで」というとたいてい親が引き取りに来る。一応かたちだけの説教をして帰すけど、本当は少し子どもたちに同情する。彼らはみな勉強が苦手で、塾に通うわけでもなく、居場所もなく、誰かに構ってほしくてさまよっているだけなんだ。

でも、彼らを救うことはできない。僕が救えるのは目の前のスクールの子どもたちだけだ。

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