進学塾nend

Nend Community News 2021-7月号 電子版

   

「今月の言葉」

「なぜそんなことをしたのか?」と問い詰めるのではなく「本当は、どうしたかったの?」と訊くのだ。

───anonymous

トピック「勉強に興味がない」

「勉強が苦手で」といって塾に入ってきたばかりの子どもを観察すると、そもそも勉強に興味がないということがある。

この興味がないというのは、たとえばあなた自身が囲碁をまったく知らないのに先生から熱心に囲碁を教えられているような気持ちだ。礼儀として聞いているふりをするが、実際には覚えるつもりがない。「君はもう少し囲碁を理解したほうがいいよ」といわれても、気にもかけないのと同じであるといえば、勉強に興味がない子の気持ちが少しはわかるだろう。

勉強のできない子どもたちは、そもそも勉強というフィールドに立っていないため、自分ができないということに関心がない。彼らは「そこで競ってない」のである。彼らの興味は他にあり、そもそも勉強ができるようになりたいと思っていないから、先生の話をしっかりと聞こうとしない。勉強というのは単なる知識のことだと考えているため、テレビやマンガから得た雑学や、特定の分野(たとえば恐竜であるとか、ゲームであるとか)に偏った知識をひけらかそうとする。

こういった子に家庭で勉強をさせるのは難しい。理想を言えば、勉強の楽しさを教えてあげたり、勉強の大切さに気づかせてあげることができれば一番だ。しかし、誰かがあなたに囲碁の楽しさを「教えて」くれたり、囲碁の大切さに「気づかせて」くれるといったら、果たしてあなたはそれを受け入れるだろうか。

子どもを塾に預けるひとつのメリットがここにある。子どもは周りが熱心に取り組むことには興味を持つ。塾に来て彼らは、はじめて自分と同じ学年の子たちが勉強をがんばっている姿を目の当たりにし、そこではじめて自分が劣っていることに気づく。
中には自分ができないという現状を受け入れることができなくて、あくまでも拒絶する子がいる。そういう子は授業中にふざけてみたり、逆にわざとらしい敬語でまじめを演じてみたりするが、塾という場ではそういった行為が無駄だと気づくのにそう時間はかからない。そうしてようやく彼らは自分自身の勉強と向き合う。

勉強に興味のない子に勉強をさせるには、とにかく勉強のフィールドに立たせるしかない。その上で、自分ができないことを受け入れて、これをできるようにしようと思えるようにすることから勉強は始まるのである。

トピック「ねんちる」vol.161

昔の教え子で中学校の先生をしているというMちゃんから突然のLINE。授業で使う職業インタビューをさせてほしいとのこと。もちろん快諾。いいよ。どんな内容?と返事すると数時間して
「すみません忙しくて。こういう内容です」

回答はラインで送ろうか?久しぶりだからごはんしながらにしようかと送ると返事が帰って来ない。
翌日夜に「すみません、外食は禁止されてて。塾に行ってもいいですか」
いいよと返事すると、さらに一日経ってから「お休みはいつですか」
日曜日だよ、と答えたが二日経っても既読がつかない。

これはだめだと思ってブロック。失礼だよ。普段先生として子どもたちの礼儀を正していればこそ、頼む立場なら最低限の礼儀を守ろうよ。以前の教え子だからと偉そうに説教をするつもりもない。大人はそっと離れていくだけ。ごめんね。

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