Nend Community News 2020-6月号 電子版
「今月の言葉」
「大丈夫?」って尋ねて「大丈夫」って答える子は、大丈夫じゃありません。何もないなら、「えっ?なにが?」という返事になります
───anonymous
トピック「プリーズ・プリーズ・ミー」
女の子どうしが「〇〇ちゃんかわいいね」「えーそんなことないよ」とほめあう光景がよくあります。「かわいいね」と言われて、謙遜せずに「ありがとう ファサー(髪をかき上げる音)」と言える子はおそらく育ちがいいのでしょう。ほめられることに慣れているというのは、他人の言葉を善ととらえて受け入れ、また自分を肯定することに慣れているにちがいありません。
4月から5月末まで続いたコロナウイルスによる休業期間中は、人をほめるということについて、よく考えていました。
授業はできないけれど、こんな大変な時期だからこそ自分のできることをやろうと、課題を用意しては各家庭に届けるなどしていたこの期間、LINEやメールで暖かい励ましや、おほめの言葉をいただくことがありました。人からほめられることについて慣れていない私は、ほめられるとどうしていいか分からなくなって困惑してしまうのですが、ほめられること自体は大人であってもうれしいことです。子どもたちはなおさら、ほめられるとうれしいのではないでしょうか。
子どもたちがテストで良い点を取ったとき、「頭がいいね」と能力をほめるよりは、「よくがんばったね」のように、行動をほめるほうがよいとされています。
能力をほめられた子は良くない点数を取ったときに自分の能力に対する評価が下がることを心配し、難しい問題に取り組むことに幾分消極的になるそうです。行動をほめられた子は、たとえ悪い点数を取っても能力に対する評価が下がるのではなく、単にがんばりが足りなかったとなるだけですから、自尊心が傷つくおそれがないというのが理由です。
そしてさらに、行動をほめるよりも、存在をほめるほうがよいとされています。先の例で言うと「よくがんばったね」とほめるよりも「あなたはこつこつ努力ができる人だね」のようにその子の内面をほめてあげるのがよいということです。ともあれ、どのようにほめたとしても子どもにとって(もちろんほめる側にとっても)マイナスになることはありませんから、私たちはもっとほめることに積極的になってもよいのではないでしょうか。
休業期間中は課題を持ってきてくれた子どもたちと話す際、どのようにほめてあげればよいか考えるいい機会になりました。ご家庭でもお子さんのよい行いをほめてあげてください。
トピック「ねんちる」vol.148
宿題は〇が多いから良い、×が多いからだめ、というのではありません。どれだけ〇が多くても、答えを丸写ししたのでは意味がありません。
答えの丸写しは見ればすぐに分かります。途中計算が一切ないのに答えだけ合っている、非常に難しい問題であるにもかかわらず、その子の能力を超えて正解しているなどです。また、答えを写していながらわざといくつか間違えるといったわざを使う子もいますが、これもすぐに分かります。問題によって間違えやすいポイントがあり、そこからずれていたりするからです。
宿題は×が多くて構いません。どこをどんなふうに間違ったのか確認し、間違え直しをきちんとすればいいのです。ご家庭でも、特に低学年のうちはこういった観点でお子さまの宿題をごらんになって、しっかりと間違え直しをさせてあげてください。