進学塾nend

Nend Community News 2019-6月号 電子版

      2019/10/08

「今月の言葉」

コートに立ったら、自分は誰よりも準備してきたと言う自信がある。

─── ステフィン・カリー(米・NBA選手)

トピック「子どもへの勉強の声がけ」

勉強しろと言われる子どもは勉強ができなくなる、という話があります。勉強しろというな、楽しみをみつけさせろ、自分での気づきが大切、のように続くのですが、果たして正しいのでしょうか。

子どもがまだ幼く、じっと机に向かっていられないのに、勉強しろといってもどだい無理な話です。保護者が子どもと一緒に対話をしながら、勉強の楽しみや気づきを育ててあげるのが一番です。つまり、お子さんが幼児から小学生までであれば、冒頭にあげたことは間違いではありません。
しかし、子どもが中学生になると、そうはいきません。一緒に学ぶという年齢も過ぎており、学習内容も大幅に難しくなっているため、親としては勉強を促す以外に方法はありません。

確かに、上から目線の押しつけで子どもに勉強を強いれば、子どもの反発心を招くこともあるでしょう。しかし、勉強をするのは子どもの本分です。勉強しなさいと親が子どもに言うのは当然のことで、なんら間違ったことではないのです。勉強しろと言わないことが正しいのではありません。むしろ、積極的に声をかけるべきなのです。

親から子どもへ勉強をするよう伝える際には、直接的に「勉強しなさい」というのはよい伝え方ではありません。声がけは、あくまで子どもの意識を勉強につなぎとめておくこと、親が子どもの様子を気にかけていることを伝えることが目的です。ですから、
「テスト範囲はもう出たの」
「今度のテストは大丈夫そうなの」
「ワークとか、提出物は進めてるの」
という声のかけ方にしてください。そしてお子さんの返答に応じて、
「えらいね。今回はがんばろうね」
「早めに勉強始めたほうがいいね」
「次のテストは期待してるね」
のように、「~しなさい(have to)」ではなく、「~したらいいね(should)。~したらどうかしら(Why don’t you~?)」というように伝えましょう。

どうしても子どもが勉強しない場合には「じゃあ、そろそろ勉強始めましょう」といってテレビを消してください。このとき、親もテレビを見ないで読書したり、片づけをしたり、というように子どもと一緒になって何かをするのが大切です。

子どもしてほしいことを伝えるときは、言外に(あなたは・You~)というニュアンスで伝えるのではなく、(私たちは・We~)のように、一緒にがんばってることを伝えるのが大切なのです。

 

トピック「ねんちる」vol.136

先日スクールに遊びに来てくれた二人のMちゃん。今回はM香ちゃんの話。

M香ちゃんはクールで、いつもあまり感情を表に出さない子。勉強についても、様子を尋ねると「あー。だめです」「無理です」というようなにべもない返事ばかりで、きっと彼女なりにがんばっているのだろうけど、もう少し勉強に熱を入れてくれればと思っていた。

その年の夏期講習の日。厳しくすることばかりが大切だと考えていた僕は、何かが理由でM香ちゃんを強く叱った。M香ちゃんは強いまなざしでこちらを見すえたまま、涙だけが頬を伝っていたことを覚えている。思い出すたび今でも胸が締めつけられる光景だ。

M香ちゃんは今、栄養士になるためにがんばっている。塾の座席を見回しながら、「懐かしいね」とM香ちゃんは、少し優しげに微笑んだ。

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