進学塾nend

Nend Community News 2018-12月号 電子版

      2019/10/08

「今月の言葉」

長所とは、目の前の人の短所を補い貢献するためにある。 短所とは、目の前の人に長所を発揮してもらうためにある。

─── anonymous

トピック「勉強をさせてあげて」

これまでたびたび勉強の方法について話してきましたが、今回は勉強をさせることについてのお話です。

子どもの成績が悪いからと、塾以外の日も家庭学習をさせているご家庭があるかと思います。しかし勉強を親の指導のもと無理強いすることは百害あって一利なく、間違いなく子どもをダメにします。こういった家庭のお子さんはみな同じ顔をしています。感情に乏しい、平坦な能面のような顔。テストの成績が良くないとお子さんを叱ったときに、こういう顔をしているのを見たことがありませんか。

以前預かっていた女の子で学年200中、150番台の成績の子がいました。この子は毎日部活から帰ってきてから3時間、親の前で勉強をさせられていました。面談のときにそれを伺ったときには驚いて、即座に止めるように申し入れましたが、
「毎日勉強をさせるのを止めて、これ以上成績が下がったら、責任が取れるのか」
と聞く耳を持ちませんでした。
結局この家庭はスクールを辞め、あちこちの塾を転々としました。今でもその子の感情の無い顔を思い出します。

いくら勉強をさせても成績が上がらないお子さんは、勉強をさせられているだけです。勉強をしないと叱られるから、しかたなく勉強するふりをしているだけです。
勉強とは①知らない・分からないという段階から、②やり方やヒントを見ながら解ける、③時間がかかるが自力で解けるという段階を経て、最終的には④考えなくともすらすら解けるというようにすることです。
勉強するふりをしている子は、知っていることを延々とくり返す(漢字や英単語を20回ずつ書くなどして無駄に過ごす)、問題を解かない(教科書やノートを確認して時間を使う、年号を覚えているふりをする)、自分の弱点や間違いを克服しない(赤ペンで答えをていねいに写すだけで、解き方や仕組みを覚えない)などに終始しています。これでは勉強したといえませんし、点数があがらないのは当たり前です。

本当に子どもに勉強をさせたいのなら、無理強いはせず、どこがわからないのか、何につまずいているのかを話し合ったうえで、その子に本当に必要なことをさせてあげることが大切です。子どもの自主性を尊重し、子どもに勉強をさせるのではなく、させてあげることが大切なのです。

トピック「ねんちる」vol.130

僕は以前、大手の塾で平塚江南の生徒30名を前に授業をしていたことがあります。先月お休みをいただいて当時の教え子たちと飲みに行きました。
もう15年ほど前、当時僕は若く、自分の教え方に自信もあり、思い上がっていました。自分がこれほど分かりやすく教えているのだから、できない子は努力が足りないのだ、くらいに思っていたかも知れません。D君は当時数学が苦手で、僕は彼を叱ってばかりいたようで、D君は僕のことを少なからず憎んでいたようです。というのは、僕はそのことをあまり覚えておらず、当時の僕はそれくらい生徒の方にちゃんと向き合っていなかったのです。

D君は今では外資系の保険会社の第一線でバリバリ働き、家庭を持つ立派な父親です。D君が僕のことを昔のあだ名で呼びかけて、笑いかけてくれたことは赦された気持ちでした。

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