進学塾nend

Nend Community News 2018-2月号 電子版

      2019/10/08

「今月の言葉」

誰でも他人の悲しみに同情することはできる。しかし、他人の喜びを共に喜ぶのは、天使の特質である。

─── ショーペンハウエル

トピック「間違え直しの大切さ」

スクールでは漢字検定を定期的に行っていて、小学生は授業内に対策テストを行っています。30分程度で問題を解いた後、すぐに間違え直しをしてもらうのですが、見ているとどうやら、普段からしっかりとした間違え直しができていないことがはっきりします。
子どもたちには〈勉強とは、できなかったところをできるようにすることです。なぜ間違えたのかを確認して、あぁ、だから間違えたのか。こういうことだったのか。と納得して初めて「直し」ができたということです。それをしないと勉強ができるようにはなりません〉と口すっぱく言っているのですが、学年を問わずそのような間違え直しができている子は少ないのです。

たとえば、漢字検定4級の問題では「突」「晴コウ雨読」などの書き取りがあります。これを間違えたとして、ただ赤ペンで突、晴雨読と書くことで間違え直しをした気になってしまう子が多いのです。
しかし、意味も分からずただ正答を書いたところで、果たしてそれで身についたといえるでしょうか。
間違え直しの大切さや、勉強の意味を知っている子は、
「突飛、ってどういう意味ですか」のように質問してくれたり(「奇抜な、おかしなっていう意味ですよ」)、
【晴耕雨読=田舎でのんびりと暮らすこと】のように、ちゃんとその語句の意味を調べたりしてくれます。

宿題で出された問題についても、普段からこのように間違え直しをして、納得して理解してくれると、必ず学力はついてくるのですが、こういったことができる子はごく少数です。
ご家庭でも、お子さんがかたちばかりの宿題をしているだけになっていないか時々確認してあげたり、できる限りお子さんの質問を受けてあげたりしてください。

漢字検定では、ここにあげたようなさまざまな言葉が出てきます。言葉を知るということは、自分の視野を広げることに役立ちます。草花の名前を知らないうちはただの雑草にしか見えなくても、「オオイヌノフグリ」「セイタカアワダチソウ」などと名前を知れば、その草花は向こうから視界に飛び込んでくるようになります。

みなさんも「一知半カイ」の勉強にならないよう、「入ネン」な間違え直しを心がけましょう。

 

トピック「ねんちる」vol.120

大雪の降った日、Kちゃんが来てくれた。Kちゃんは春から就職するらしく、今の自分が置かれている難しい状況も含めて相談に来たのだ。
Kちゃんはそもそも勉強が得意ではない。明るくて快活なんてところから間逆の位置にいて、どちらかというと不器用なほうだ。それでも高校に入ってからもスクールに通い、勉強を続けてくれて、指定校推薦をとって大学に進学することができた。しかし、自分の苦手な学科を選んだことで非常に苦労することになり、家庭の事情も重なって通学を断念することになった。

今の日本は高校から大学に行って、新卒切符で社会人になり、といったレールから外れると、復帰することが非常に難しい。親は子どもの幸せを願って塾に通うなどさせてくれている。僕らもそれを願っている。
雪は翌日には消えていた。

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