Nend Community News 2017-7月号 電子版
2019/10/08
「今月の言葉」
“上機嫌は人が着ることができる最上の衣裳である”
────ウィリアム・サッカレー(英・作家)
トピック「勉強の3段階」
テストでいい点数をとるには、これはもう、勉強するしかない。じゃあ、どうやって勉強したらいいか、となると、なかなかはっきりとした答えがでない。そのあたりについて話していきたいと思います。
学習の定着には3段階あります。
第1段階として、「同じ作業をまねる」という段階です。
たとえば、英語の過去形が試験範囲なら、動詞にedをつけて過去形にできるか。疑問文や否定文に作り変えられるか。これらを教科書や問題集を見ながら同じ作業をまねるという勉強の段階です。やり方を見れば、なんとか解けるという段階ですね。
中には理解が難しいものもあります。そういったものを自分から積極的に質問しにいくというのも大切ですが、ここで完璧な理解にこだわりすぎるのもよくありません。ここで生じる疑問というのは、後であっけなく解決するものも多いのです。ですから、そのとき分からなくても、「あー、これあとで分かるパターンのやつでしょ」と、流してあげるのも大切です。(この考えは大切です。完璧な理解を求めるあまり、わからなくなって投げ出してしまう子も多いのです。英語の長文読解でわからない単語が出てきたら途端につまづくのもこのタイプです)
ここで勉強を終えてしまうと、テストでは40点どまりということになります。
次に第2段階として、「自分ひとりで解けるかどうか」という段階です。
実際に問題集や過去問を解きながら、どの問題が自分には解けて、どの問題が自分には解けないかを確認していきます。この段階に入る前に勉強をやめてしまう子がいます。そういった子が「何が分からないか、分からない」「ちゃんと理解していたはずなのに」という子です(そもそも問題を解いていないのですから、当たり前です)。
第1段階の「まねて解く」のではなく、この第2段階では自力で解く作業ですから、時間もアタマも使います。第1段階をアタマに知識を植えつける「インプット」と呼ぶとすれば、第2段階はアタマから知識を取り出す「アウトプット」になります。学校に提出しなければいけない問題集を早く終わらせたいからといって答えを丸写ししていると、第2段階の練習をせずに第1段階にとどまることになります。
ここで勉強を終えてしまうと、テストではよくても70点くらいになります。
最後の第3段階は「ブラッシュ・アップ」です。
第2段階で間違えた問題、すぐに答えが浮かばなかった問題、ひっかかりがちな点をていねいに直していきます。テストでいい点数を取るには、ここでいかに自分ができない問題を減らせるかにかかっています。「ここが苦手」「この問題がでるとヤバイ」という問題を重点的に練習していきます。点数がイマイチ伸び悩んでいる子は、この段階までしっかりたどり着いていない子です。第2段階でどれほど多くの問題を解いたとしても、まちがえ直しをしなければ、ただ分からない問題が増え、できない問題はできないままになっているにすぎません。この第3段階にどれだけ時間をかけられるかは、どれだけ早く勉強を始めるかにかかっています。無理のないペースで、各段階をそれぞれ1週間ずつやっていくとすると、少なくとも3週間前から試験の準備を始めることが理想です。
ここまでしっかりできると80点から満点をめざすことができます。
ここで挙げた勉強の各段階については、無意識に行っている人も多いことですが、自分がどの段階にあるかということを意識して勉強を行うことで、効率よく時間を使えるようになると思います。がんばってください。
トピック「ねんちる」vol.113
子育て四訓というのがあります。
幼児は肌を離せ手を離すな
少年は手を離せ目を離すな
青年は目を離せ心を離すな
中学生くらいだと少年と呼べる時期でしょう。ある程度子どもに自主性を持たせながらも、いつでも子どもの変化に気づけるように目を離さないのが大切です。子どもを思うがあまり、手も離せず肌も離せず、あちこちにクレームをつけたり、子どもの勉強を監視したりする親がいます。
以前から紙面で伝えていますが、子どもに勉強しろというのであれば、たとえ30分でも一家そろってテレビを消して、携帯を離して、全員で本を読んだり勉強したりという共通の時間をつくるようにするべきです。
お子さんが勉強するときの手元を見ると、イライラすることもあるかもしれません。そんなときはお子さんの表情を見てあげてください。どの子も真剣な顔で勉強していますから。