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信頼とは

   

教える側からの視点として「信頼できる子」というのがあります。「信頼できる子」はただ頭がいいお子さんとは異なります。すべてにおいて安心できる子といってもかまいません。こういったお子さんはやはり周りからの評価が高いため、成績もよいようです。どういったお子さんでしょうか。

教える側である私たちが、質問を投げかける場合が2通りあります。
1つは、話を聞いていない子に注意をうながす場合。もう一つは、授業の展開を自分の意図するようにもっていくため、狙った回答が欲しい場合です。
例えば、今中学3年生の授業で「運動とエネルギー」という分野を取り扱っていますが、「物体はその質量にかかわらず、一定の割合で速度が増える」という、私たちの直観とは異なった現象があります。
こういった事がらを説明するときに、「100kgの鉄球と5kgの玉、同時に100mの高さから落とすと、どうなるでしょう」と質問を投げかけます。『同時に落ちる』が正解ではあるのですが、子どもたちには「100kgの鉄球が先に落ちる」と答えてほしいわけです。
このときに「誰にあてるか(誰に答えてもらうか)」というのがあるのです。
「頭のいい子を避けて答えさせればよいのではないか」と言われるかもしれませんが、そうではありません。クラスのみんなが「この子のいうことは正解にちがいない」と納得し、かつ「自分たちの考えに近い」と共感を持て、さらにあてられた子が私たち指導者側の意図をくんで答えてくれる、という信頼を持てる子がいいのです。

私たちは授業の大事な場面で、こういった「信頼できる子」にあてることが多いのです。

私の好きな言葉に〈信頼というのは、約束していないことを守ることだ〉という言葉があります。
母親から「部屋を片づけなさい」「弁当箱をすぐに出しなさい」と言われてするのではなく、言われていないことをキチンと守ることが信頼につながるのです。言われてからするのでは、けっして信頼を得ることはできません。(これは大人の仕事や、対他人についてもいえます。うちのスタッフにも重々話しています)

私がお預かりしているスクールの子どもたちを見ても、「この子は信頼できる」と思える子は、やはり「宿題を忘れない」「つねに小テスト(=覚えてくる宿題をしているかどうかの確認テスト)で満点をとる」「学校の授業内容を訊いたり、試験範囲のプリントや、授業ノートなどを持ってきてほしいとお願いしたときに、つねに応えてくれる」という子です。約束していないことを守る。きちんとやってくれる。その安心感が信頼につながるのです。

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