進学塾nend

Nend Community News 2016-3月号 電子版

      2019/10/08

「今月の言葉」

吾輩は猫ではない。

―― 若月佑美(乃木坂46)

トピック「2016年度神奈川県入試を終えて」

2016年度神奈川県入試が2月16日に行われました。42,912人の募集定員に対して51,802人が受験し、実質競争倍率は1.21倍(前年度1.91倍)となりました。2013年度より難化がすすむ神奈川県入試は、本年も昨年よりさらに難易度をあげました。
今後上位校を受ける生徒にとってはいかに「集団」から抜け出る点数を取るかということ、中位の高校では基本問題をしっかりと押さえて、大崩れすることのないように安定して平均点をとること、下位校では難しい問題にあえて手を伸ばすことなく、最低限しっかりととるべき問題を選ぶことが、それぞれ重要になるでしょう。
しかし今年度入試は、今年度の子どもたちにとって人生でただ一度きりです。さて、どんな入試だったのでしょうか。

英語

単語は出題方法が少し変わりやや難。並べ替えは問われる文法が中学生の苦手とする「分詞の後置修飾」「第4文型+接続詞」「間接疑問文+現在完了」「最上級」などで難。英作文は「Shall I~?」「助動詞should」「Will you~?」など基本のものですが、本番でしっかり書けるようにするには練習が必要です。全体的にはやや難化。

数学

問二に「資料の整理」「文章題」「平面図形」と盛りだくさん。二次関数はいつもどおりながら(ウ)は毎年出題に変化あり。確率がもとの問四に戻るもやや難。今年度の目玉は問五の一次関数で、パラグラフ問題が初めて出題されました。空間図形は体積と底面積から高さを逆算で求めるもので、頻出論点ながら神奈川入試で徹底するには難しいもの。証明も補助線を自分で引くことを前提とするもので、全体的に難化。

理科

問一から問四の小問集合の難化に歯止めがかかり、全体としてとるべき問題がはっきりしました。問五から問八の特集問題は本年度は「浮力」「溶解度」「呼吸と光合成」「太陽と惑星」。問六の溶解度が凝っている問題。全体としては若干易化。

国語

全体的な傾向は変わっていませんが、説明文で「アイデンティティー」という語が注釈なしで取り扱われたことが注目すべき点ではないでしょうか。今後入試に必要な語彙を押さえていく必要があります。

社会

全体的なつくりは前年度までと同様。歴史の出題が「カード問題」から変化しましたが、やや易化した模様です。

 

トピック「ねんちる」vol.97

就職が決まったとM君が報告に来てくれた。車の免許取得のための合宿で新潟まで行っていた、と手土産まで持参してくれた。うれしいかぎり。
M君は勉強がとにかく苦手な子だった。英単語の暗記テストはほとんど覚えてこられなかったし、計算は習っていた珠算のおかげか少しはできたけれど、関数も図形もできなかった。授業中にはあきらかにうとうとしていることが多く、あるとき一度、脳天に思い切りゲンコツをくらわせると、M君は悶絶したものの、こちらの手も倍以上に腫れてチョークがもてなくなったことがあった。今となっては笑える思い出。
塾ではおとなしいものの、学校では悪さして呼び出されることもあったというM君。進路を決める際は、親の希望する農業高校への進学をはねつけて、単位制の普通科高校を受験した。高校を卒業してスポーツの審判やインストラクターなどを養成する専門学校に進み、春からは整体師として就職するという。
「社会に出るのは大変だし、つらいこともたくさんある。でも若さというのはそれだけで武器だ。石の上に三年いても得られないことだってある。十年先にどんな自分でいるかを考えて、たくさんのことを経験したほうがいい」M君にはなむけたのはかつての自分への言葉でした。

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