進学塾nend

Don’t shut it!

   

断捨離、というのがある。物を捨てることによって身も心も軽くなるというのだが、僕はそんなもの信じていなくて、ひとり反断捨離派(すごい言いづらい単語だが)を名乗っている。ハンダンシャリ。

“ドリルを買う客は、ドリルではなく穴を求めているのである”
マーケティングについて述べたものでこれ自体ハッとさせられるが、
“ドリルそれ自体の機能と美しさに惹かれて購入する人は少なくないのでは”というブログのコメントがあり、これには激しく同意。僕はいまだにブラック・アンド・デッカーの電気ドリルを愛しているし、スクーバ・プロのダイブ・コンピュータを身に着けると変身できそうな気さえする。
男の子はモノが好きである。

「机が散らかっている人のほうがクリエイティブになれる:米大学調査」という記事があった。
“同教授のグループは同じ配置、備品、日当たりの部屋を2つ用意し、被験者の一方には書類などが散らかった汚いオフィスに、もう一方には整理整頓されたきれいなオフィスに別れてもらいいくつかの実験を試みた。(中略)
「ピンポン玉の新たな使い道を考えて」と指示を出したところ、アイデアの数は双方変わりなかったが、内容の斬新さやクリエイティブな点では汚いオフィスにいた人々に軍配が上がったという。(引用ここまで)”

“子どもの部屋が散らかっているほうが、よりクリエイティブな子に育つ”という調査もある。
母親にとって単なる散らかった部屋にしか見えなくとも、子どもにとってそこは残り少ない弾薬を数え、突入の決意を迫られる戦場であり、不死者(ゾンビ)の徘徊する朽ちた都であり、危険な原住民とカモフラージュの得意な獣の跋扈(ばっこ)する密林である。
どこかで拾ってきたベアリングは、実は人類最後の兵器を動かす鍵だし、つるつるとしたガラス質のきれいな石は、王家の正当な血筋を表す宝石だ。ぬいぐるみは心を許せるただ一人の友であり、その友の本当の体を取り返してあげることも大切な約束の一つだ。
子どもの部屋のもので、捨てていいものなんて何一つない。

今日、うちの子ども(僕がこういう言い方をするときは、生徒のことだと思ってほしい)がこう話していた。
「お母さんに大切なマンガを全部捨てられた。」
どうして?
「早寝、早起きをしないからって。あとアイポッドも取り上げられた」
どこかに隠してるんじゃないの?「たぶん、ない。」ヒドくない!?オレだったら絶対家出するしな!

うん、家出するね。間違いなく。

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