進学塾nend

You trip at every step…

   

僕にはTという友人がいる。
彼とは同い年なんだけど、この仕事を続けてきたあるとき、同僚になった。当時彼のほうが役職が上だったので、いまだにTに対しては少しくだけた感じの敬語をつかっている。そのほうが心地いいからだ。
Tはとても向上心が強く、独善的で支配的だけど、いったん仕事を離れると、すごくトンチンカンで天然ボケという、とても魅力的な性格をしている。
あるとき僕が人生で大きなミスをしでかし、後悔と自責と自己嫌悪で自暴自棄になっていたとき、彼は遠くから静かに言った。
「たまには下を向いて歩くのもいいよ。上ばかり見て歩くとつまづくから」

この言葉はすごく心にしみた。後年彼にそのことを尋ねると、「そんなこと言ったっけ」とまったく覚えていない様子だった。そこがまた彼らしい。

このGWに大阪まで自転車で行ってきた。4回目となるおよそ450kmの旅は、途中パンクしたり、ホテルが全て満室だったため、生まれて初めてネカフェで寝たり、いつにもましてツライものだった。
よく他人から「すごいね、それって楽しいの?」と聞かれるが、正直楽しいというのとは少し違う。辛くて苦しくて、痛くて疲労して、何度も何度も自転車を降りたくなる。でも、なぜだかやらなければいけない気がする。

うまく言えないけど、「たまには下を向いて歩く」ことが必要なんだ。

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