進学塾nend

Nend Community News 2018-6月号 電子版

      2019/10/08

「今月の言葉」

やってみて「ダメだ」とわかったことと、はじめから「ダメだ」と言われたことは、違います。

─── イチロー

トピック「勉強か、夢を追うか」

勉強と夢のどちらを取るのが正しいかといわれたら、これは難しい問題かも知れません。
お預かりしているお子さんで多い悩みが、野球をやっていて、勉強と野球のどちらをとるかという話です。もちろんうまく両立できればいいのですが、たいていの場合、野球を選ぶ子が多いでしょう。野球のほうが楽しいのはもちろんでしょうが、自分自身がそこで求められていると感じることが大きな理由ではないでしょうか。

自分が抜けると大きな穴を開けてしまう。チームに対して申し訳ない。自分が休んでいる間にチームメイトはつらい練習に励んでいると思うと、いてもたってもいられない。自分はこのチームでがんばってきた自負がある。先のことはわからないけれど、今は野球をがんばっていきたい。

「野球」を別の言葉に置き換えても成り立ちますが、私にはこれが「ブラック企業」で搾取される若者の思考とどこか似ているように感じられます。自分が必要とされていると感じるがゆえに、人生の大切な数年間を惜しみなく捧げ、あとに何も残らず途方に暮れる若者です。夢というのはこのように甘美であり、大きな代償をともなうものです。

勉強と夢のどちらを取ればいいのか迷ったとき、もちろん選ぶべきは勉強です。勉強は人生を豊かにし、行きづまったときの助けとなります。勉強で得た知識は財産であり、時にはあなた自身の身を守り、人生を切り開くための武器にもなります。
しかし中高生である本人に選択をゆだねた場合、夢を取ることは間違いありません。勉強は楽しいものではなく、その価値を実感できないからです。だからこそ、本人だけでなく周りの人間が先々のことまで十分考えたうえでアドバイスをするべきです。

夢を選ぶのにはリスクが伴います。すべてを投げ打って十分な見返りが得られるのは、才能にあふれた一部の人間に限られます。極端なことを申せば、その道で生きていく才能と覚悟がないなら、夢にすべてを投げ打つようなことをしてはいけません。選択肢は常に複数用意しておくべきであり、選択肢が1つしかない時点で、それは負けたも同然なのです。
それでもあなたが夢を捨てきれないなら、勉強との両立を続けるべきです。夢のためにそれができないなら、夢を語るべきではありません。

トピック「ねんちる」vol.124

高校入試は中学生にとって一大イベントである。自分の人生を自分で決める初めての経験だからこそ、子どもたちは程度の差はあれ一生懸命になる。
ところが高校に入って子どもたちに様子を尋ねると、「つまんない」という声が多くきかれる。あれほど一生懸命に高校入試をがんばったのに、その結果がこれじゃあ報われない。
「つまんない」理由は人それぞれだが、進学を機に塾をやめるなどして勉強に対する意欲が下がったことが一番の原因だと思われる。
高校生活を楽しいものにするには、正面から取り組まなければならない。中学生のとき以上に勉強にがんばるべきだし、バイトをしながら片手間で高校生活を楽しむことはできない。そして何より自分の将来に夢を持つべきだ。その夢に向かって「今」をがんばることが楽しさにつながるのだ。

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