進学塾nend

Nend Community News 2026-2月号 電子版

   

「今月の短歌」
お客様がおかけになった番号は今草原をあるいています

───吉岡太郎

トピック「行間を読まない」

 日本語はハイコンテクストな言語だと言われます。これは言外に含む意味が多くある言語という意味で、言葉そのものではなく行間や空気を読むことが要求される言語といえます。
 たとえば、「部屋、寒くない?」と言われたら、あなた自身が寒く感じているかどうかを尋ねられているのではなく、多くの場合「部屋が寒いので暖房をつけてほしい」ことを意味します。私たちはこのようなやり取りに慣れているため、行間を読む、つまり相手の発した言葉に、言葉以上の意味を読み取ることに長けています。

 しかし、行間を読むことに長けているからといって、正しく行間を読み取れているとは限りません。
 心理学では「認知の歪み」といいますが、自分のこころの状態によっては、本来期待されているものとは異なる意味を読み取ってしまうことがあります。先ほどの「部屋、寒くない?」という発言に対して、(温度管理すらまともにできないのか)(気が利かない人だ)などのあやまった解釈をし、急に「どうせ私が悪いんでしょ!」のように怒り出す人がその例です。

 私たちは常に空気を「正しく」読めているわけではありません。ひょっとしたら自分勝手な思い込みを行間に読みこんでしまっているということも考えられます。時には相手の言葉を言葉通りに素直に受け取ること、自分の解釈を抑え、あえて行間を読まないこともまた大切だといえます。

 勉強においても行間を読むことが弊害になることがあります。次の文を読んで、あとの文の空欄にあてはまるものを、①~④の中から選んでください。

「Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある」

 Alexandraの愛称は( )である。
 ① Alex  ② Alexander  ③ 男性  ④ 女性

 正解は① Alex ですが、全国中学生の実に62%が不正解だったという調査があります。(新井紀子(2018) AI vs. 教科書が読めない子どもたち. 東洋経済新報社) これは、書いてあること、すなわち行を読まずに、自分の勝手な解釈を加えた「行間」を読んでしまっていることの表れといえるかもしれません。

 行間ではなく行を読む。書かれていないことを勝手に推測しない。こういった訓練こそ必要といえるでしょう。

「ねんちる」第216段

 先月成人式がありました。毎年この時期は入試で多忙に過ごしていますが、スクールのお母さまが、5年前に卒業したお姉さん(Rちゃん)の写真を送ってくださいました。振り袖のかわいらしい姿を拝見し、ほっこりしました。
 Rちゃんたち5年前のnend生はみんな仲が良くて、明るく楽しく授業ができた思い出があります。テスト前にはわちゃわちゃ自習に来て一生懸命勉強をし、帰りの送迎バスではみんなで歌を歌って帰りました。Rちゃんはスクールから家も近いのですが、送り順では一番最後になっていたため、いつもRちゃんのとりとめのない話題をうんうんとうなずきながら帰っていたのがなつかしい。子どもが大きくなるのはあっという間で、でもそれまでにどれだけの苦労があったかしのばれます。
 成人式のnendの子たちのかわいらしい集合写真は宝物になりました。

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