Nend Community News 2026-4月号 電子版
「今月の言葉」
どんな些細な勝利でも、一度自分に勝つと人間は急に強くなれるものである
───マクシム・ゴーリキー(作家)
トピック「初めての中間試験」
小学生の頃、私は勉強にまったく興味を持っていませんでした。授業は聞かず、宿題をきちんとやったことは一度もなく、学校の机には家庭に見せるプリントがぎゅうぎゅうに押し込まれているような子どもでした。
中学生になって、5月の最初の中間試験の2週間前に、母は私に外出禁止令を言い渡しました。ごはんとお風呂とトイレ、それに犬の散歩以外は部屋を出られず、常に学習机に向かって勉強を強いられるのです。階下で姉や妹がテレビを見たり、楽しそうに話していたりするのを聞くと、うらめしく、みじめな気持ちになったものです。
時折母がベランダに洗濯物を干すために部屋に入ってくる以外は一人、何をしたらよいかもわからず、絵を描いたり、空想の世界に閉じこもったりしていましたが、テストでよい点数を取らないと家を追い出されるという脅しを信じこんでいた私は、少しずつ勉強を始めました。英語は単語を何度も練習し、教科書の本文を暗唱してこれを書けるようにしました。数学は学校でもらったプリントをもう一度解いてみたり、数字を変えた自作の問題を解いてみたりしました。理科は教科書の記述や図解をノートにまとめて、大事な部分を空欄にした教材のようなものを作ってみました。社会はチェックペンで教科書の太字の部分にマークをして緑のシートをかぶせて暗記し、それが覚えられたら、今度は太字にはなってないけれど大事だと思われる部分にマークをしてこれも暗記し、これも覚えられたらさらにマークを増やし、とひたすら暗記することに時間を費やしました。なお、読書が好きだった私は、国語は漢字以外に一切勉強していませんでした。
初めての中間試験に手ごたえは感じませんでした。どの生徒も自分よりはるかに優秀で勉強していると思っていましたから、自分がどれほどできているか分かりませんでした。答案用紙が返却されると90点以上が多く、うれしさよりも親に叱られない安堵のほうが大きく感じられました。
テスト返却後に担任の先生に職員室に呼び出されました。何か自分に悪いところがあるのではとびくびくしていたら、先生から「とてもよい結果だった。クラスで一番、学年でも三番以内に入っていた」と伝えられました。人生で初めて大人からほめられた瞬間でした。これをきっかけに私は勉強が好きになったのです。
「ねんちる」第218段
Rちゃんとお母さまが挨拶に来てくださいました。10歳のときに初めてお預かりしてからRちゃんとは14年の付き合いになります。中学時代は二位以下を大きく引き離して常に学年一位で、神奈川県で最上位の高校である湘南高校から国立大学に進学、修士課程を経て、4月から地元の企業に就職されるということです。自分の子どもが手を離れたような安堵でいっぱいです。ピアノとエレクトーンがとても上手で、演奏会があるたびお招きいただき、Rちゃんの成長とともに見守ってきました。Rちゃんのお母さまとも同じだけ長い付き合いをさせていただいており、節目ごとにご挨拶に来てくださり、お互いが重ねた年月をしみじみと語り合っています。
願わくは、多くのご家庭とこのように末永くお付き合いすることができますように、子どもたちのためによき指導をしていきたいと思います。
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