進学塾nend

Nend Community News 2024-12月号 電子版

      2024/12/06

「今月の言葉」

「大事なことだから一回しか言わない」は意地悪なんです。「大事なこと」は「何度でも言って」あげてください。子どもたちの中には一回で聞けない子もいるんです。

───anonymous

トピック「効率よく暗記をするには」

 みなさんはテストのために暗記をするということがよくあると思います。効率よく暗記をするためにはどのようにすればよいのでしょうか。

 私たちが何かに意識を向け、記憶しようとするとき、たとえば英単語や漢字、年号を覚えるといった場合、いったんは短期記憶として保存されます。この短期記憶は、目を閉じて頭の中で復唱してみたり、真っ白な紙に書いてみたりといった「リハーサル」を行わない限り、15~30秒ほどで消失してしまいます。リハーサルを繰り返し、短期記憶として脳内に保持された時間が長いものは、長期記憶として定着される可能性が高くなります。そして、いったん長期記憶として保存されたものは自由にいつでも脳内から取り出して活用できるようになります。
エビングハウスの忘却曲線
 図はドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウス(1885)によって示された「忘却曲線」と呼ばれるもので、あることがらを覚えたときに時間経過によって記憶量が減少していくこと(赤・緑の曲線)、およびもとの記憶量を取り戻すために必要な復習量(青い矢印)を表しています。1日後には最初に覚えた量の66%程度、6日後には25%程度になるとされています。
 初日に単語や漢字を覚えようとリハーサルを繰り返し、頑張って覚えたものも1週間が過ぎる頃にはそのほとんどが思い出せなくなっています。これを防ぐには、次の日、さらに次の日と繰り返しリハーサルを行うことが必要です。何度も思い出すことで、安定した長期記憶として保持されるようになります。いかに復習が大切かお分かりになるでしょう。
 また、目覚めている間は生活の中で触れる多くの情報とこれを処理する脳内活動の影響で忘却が起こりやすいことや、記憶は眠っている間に整理され、長期記憶に送られやすくなるといったことから、一夜漬けの暗記よりも数日間繰り返し行った暗記のほうが記憶の定着はよいといえます。

 みなさんもこういったことを意識して計画立てて勉強してください。

(引用・参考文献)
森 敏昭・井上 毅・松井孝雄 (2021). グラフィック認知心理学. サイエンス社
Ebbinghaus. H. (1885). Uber das Gedachtnis. Leipzig: Dunker.

「ねんちる」第202段

 高校3年生のMちゃんが第一志望の大学の心理学科に合格したと連絡をくれた。入試前には小論文の添削とアドバイスをしていたのでほっとした。とてもうれしい。
 Mちゃんは小学6年生から通ってくれていて、大人しいけどマンガやゲームの趣味が合って、スクールの送り迎えではいつも楽しく話をしてくれた。高校は藤沢にある上位中堅高校に合格し、高校生になってからもスクールに通ってこつこつ勉強を続けてくれた。評定平均はほとんどオール5に近い成績を修めていたけど、指定校推薦では希望する大学がなく、高校2年生のうちから志望大学を決めてオープンキャンパスに行ったり、小論文を練習したりするなどして受験に備えていた。

 高校に合格したあと勉強から離れていく子が多い中、アルバイトもせずにいつもいつも勉強を頑張っていたMちゃん、本当に合格おめでとう!

 - 勉強・学習, Nend Community News