Nend Community News 2024-7月号 電子版
「今月の言葉」
最後にはすべてがうまくいく。今うまくいってないならそれは最後じゃないんだ
───エド・シーラン
トピック「上達するのに必要な時間と量」
ディズニーアニメ「アラジン」の作画で知られるアニメーターのエリック・ゴールドバーグ氏は、どうすれば絵が上達するかについて次のように述べられています。
「誰でも人生で描くイラストの最初の15,000枚は下手だから、絵が上手くなりたいならそれを描き切ってしまえば良いんだよ」
一日3枚しか絵を描かない人は、これを達成するのに13年かかる計算になりますが、一日30枚絵を描く人にとってはわずか1年半でこれを終えることができます。苦を苦と思わず情熱でこれを描き切る人もいれば、自分の未熟さを嘆きながら苦労してこれを終える人もいるでしょう。いずれにせよ、絵が上手と言われる人はみなこの枚数を何らかのかたちで達成しているのです。
ところで、ある分野で特技といえる優れたレベルに達するまでには1,000時間が、さらにその分野において一流とよばれるようになるためには10,000時間の練習が必要とされるという話をご存じでしょうか(アンダース・エリクソン著「超一流になるのは才能か努力か?」文藝春秋)。
勉強についても同様に、ある程度のレベルに達するまでに必要な学習時間というのが必ず存在します。統計的なデータはありませんが、私は中間・期末テスト(中学・高校で二か月間に習う程度の学習内容)で上位30%に入るレベルの学力を身につけるのに必要な学習時間はおよそ50時間と考えています。これは一日2時間の勉強時間としてテストの25日前、一日3時間の勉強時間であればテストの16日前から始めると終えられる勉強時間です。どうですか。この勉強時間は多いと感じるでしょうか。それとも「本当にこれだけでいいの」と感じるでしょうか。
テスト前の子どもたちの様子を見ていると、テスト勉強の開始が遅いため、十分に練習ができないままにテスト本番を迎える子が多いように感じます。お子さんたちの勉強時間は平均しておよそ20時間といったところでしょうか。もう少し勉強時間を増やことで必ずいい点数が取れるのです。
中学校ではテスト前にどの教科をどれくらい勉強するか予定を立てたり、実際にどれくらい勉強を行ったかを記入するシートが配られています。次の試験の際には50時間の勉強計画を立て、行動に移してみませんか。
「ねんちる」第197段
小・中学校で頭が良いと周囲からちやほやされ、自分自身も頭が良いことを認めてきた子が、高校に進学すると、同じくらい頭が良い子たちと競い合うことになる。すると、一学年300人の中で一番になる子もいれば、300番になる子も出てくる。今まで頭が良いことにプライドを持ってきた子が生まれて初めてビリになると、心を砕かれて何も勉強できなくなる。何を質問しても答えず、問題を解かせても手を動かそうともしない。かつて自分が見下してきた学力の低い子と同じようにふるまうのだ。
O君もそういった子で、僕は彼に、君はやればできるなぜやろうとしないのか、たとえできなくてもそこから立ち上がる努力をしろ、と何度も叱った。O君はうつむいたままだった。
大人になってから再会したO君は当時のことを「殺したいくらいに憎かった」と寂しそうな笑顔を見せて語った。