進学塾nend

Nend Community News 2020-4月号 電子版

   

「今月の言葉」

リーダーは上に立つ人じゃない。前に立つ人のことだよ。

───anonymous

トピック「それはあなた次第です」

ご家庭でお子さんに勉強をさせようと考えるお母さま方が多くいらっしゃいます。「勉強する習慣をつけてもらいたい」「言わないとやらないのだから、無理にでもやらせるしかない」といった意見もおありでしょう。しかし、勉強を〈させている〉ご家庭は例外なくお子さんの成績が芳しくありません。成績が悪いから勉強をさせないといけないのか、勉強をさせようとするから成績が悪いのか。にわとりと卵のどちらが先かという話にも似ていますが、ではいったいどのように子どもに対してアプローチすればよいのでしょうか。そこのところを考えてみましょう。

被験者に、コンピュータの画面に小さな光の点が現れるのを、ただじっと見つめて待ってもらう、という退屈な課題に取り組んでもらいました。
Aチームには「集中力を高める実験です。航空管制官の訓練とほぼ同じものです」と理由を説明した。Bチームには「こんなことやりたくないですよね」と同情をしめした。Cチームには「やってもやらなくても結構ですが、もしよかったら」と選択をしめした。Dチームにはただ課題をやらせた。

結果は、A、B、CチームのいずれもDチームより自発的に課題に取り組んだ。

(心理学者エドワード・L・デシの実験)

この実験からは、相手の気持ちに寄り添うことで、自発性をうながすことがわかります。

相手の気持ちに寄り添うとは、「もっとできるはずだ」「あなたのためでしょう」「がんばらない子は嫌い」「世間に恥ずかしくないような人になって」というような伝え方とは異なることに気づくでしょうか。これらは子どもの気持ちを無視して、親の考えを押しつけていることに他なりません。また、このような言動を続ければ、お子さんとお母さまとの関係がこじれてしまうかもしれません。

お子さんが自発的に勉強をしてくれるようにするためには、子どもにその理由をていねいに伝え、親がつねに心情的に子どもの側にいることを示すことが必要です。そして子どもに自ら勉強をすることを選ばせる必要があるのです。「うちの子は、私が何も言わないのに不思議に勉強をがんばってくれる」というお母さまは、きっと自然に子どもの気持ちに寄り添った声がけができているのでしょう。勉強は向こうからやりたいという気にさせることが大切なのです。

 

トピック「ねんちる」vol.146

Rちゃんが塾に来たのは彼女が5年生のとき。「学校の授業が退屈だから」という理由にもびっくりしたけれど、彼女はそれくらい聡明で、おそらく25年教えてきた僕の人生で一番の子だ。だから中学にあがったときには、お母さんに頼んで彼女だけの特別なクラスをつくった。優れた子は、その存在だけで周りをも変えてしまうといったところだ。
中学2年の春に「湘南高校を受ける」と決めた彼女はほぼ勉強らしい勉強をせずに高校入試を通過した。そんな才能あふれるRちゃんでも、全県から天才秀才奇人変人が集まる湘南高校では人生で初めて勉強に苦労をしたかもしれない。

先日大学入試が終わり、国立東京農工大学に合格したとのうれしい知らせをくれた。本当に立派で、誇らしく思う。これから彼女はどんな未来を見せてくれるのだろう。

 - Nend Community News