進学塾nend

Nend Commnuity News 2016-7月号 電子版

   

「今月の言葉」

返事をしないのも返事のひとつ

────外国のことわざ

トピック「見えない壁」

陸上のオリンピックメダリスト、為末大さんがその著書の中で次のようなことを述べられていました。

昔は短距離100メートルで10秒を切るものはほとんどいなかった。しかし、一度公式で10秒を切る記録が打ち立てられると、次々と10秒を切る人間が現れた。それほど思い込みの力は強いのだ

人間は自分で限界を決めてしまうことで、それ以上伸びなくなってしまいます。しかし、一度その壁は越えられることを実感すれば、実は壁なんてものはそもそも存在しなかったと気づくのです。

たとえば入試で、志望校合格のために6割の点数を取らなければならないとします。
これが模試で一度も6割を超えたことがない人間が、本番で6割を超えることはきわめてまれです。
その理由の1つが、先ほどの例にある「心理的なブレーキ」です。「たぶんムリだろう」「できるわけない」と考えている人にとっては6割が壁なのです。しかし一度6割を取れば、それを取ることが当たり前になるのです。

「100メートルで10秒を切れるわけがない」「入試で6割とれるわけない」「たぶん自分にはムリだろう」と失敗したときの言い訳を先に用意しておくことを心理学の用語で「セルフハンディキャップ」といいます。しかしこういった考えは自らの能力を萎縮させ、可能性をせばめることになります。

自分の中で限界を決めないことはとても大切です。ときにはその努力が何の実も結ばないように感じられるときもあります。しかし、ここで自転車に初めて乗れたときのことを思い出してください。自転車は「じょじょに乗れるようになっていく」ものではありません。今まで乗れなかったのが、不思議なことにあるとき急に乗れるようになるのです。それは「自分にはできる」ことを疑わず、努力をやめなかった結果です。「自分にはできるわけがない」と最初からあきらめていたら、決して今乗れるようにはなっていなかったでしょう。

自分の人生ですから、すべてのことに「できる」と思い込みましょう。
周りの人間は多くの場合否定的で「むりだ」「よしたほうがいい」といいます。それでも「自分がやりたいことは自分にとって価値があることだ。そして自分にはそれができる」と信じて努力を続けることが自分の壁を越えることにつながるのです。

トピック「ねんちる」vol.101

N君は10年前にうちのスクールを開校したときの最初の生徒で、かわいくてサッカーが上手で、頭いい子だった。素直でまじめで手がかからない子だったが、進路を決める際に難航した。
N君は大磯高校を志望していたが、初めての高校入試ということでお母さんもひどく心配されて、志望校を1~2段階下げるよう強く主張していた。
スクールでの面談の前には「先生のほうから志望校を下げるように言ってください」と言われていた。N君は自己主張が少なく、お母さんと僕の両方から言われたらおそらく下げただろう。
面談のとき、お母さんの横でN君はうつむいて暗い面持ちだった。「志望校どうしたい」と尋ねると控えめに「大磯高校を受験したい」と言った。僕はお母さんに向き直り「お母さん、受験させましょう。この子は絶対受かります。僕が責任を持ちます」といった(お母さんは後に「裏切られた」と笑っておっしゃってくれました)。
N君は見事合格。今は大野中に教育実習生として数学を教えに来ているそうだ。

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