進学塾nend

英語を話せるようになりたい

   

先日、タイの春節を祝う祭り”ソンクラーン”に参加してきました。
「水かけ祭り」の異名を持つこの祭りは、バンコクの市内のあちらこちらで、水鉄砲(英語で a squirt gunといいます。「水鉄砲で水をかける」という動詞は squirt です)を手に、誰にでも水をかけまくるという楽しいお祭りです。こういったお祭りが日本でも行われると楽しいですね。

さて、僕の古くからの友人が主にアジアの観光、不動産やファンドなどを手がける仕事をしていて、香港、バンコク、バリなど、主に友人の仕事の付き添いも兼ねた視察旅行であちらこちらに誘われるようになったので、近年海外で英語を使う機会もめっきり多くなりました。
タイは観光が盛んな国で、首都バンコクで目に付く人の40%がタイ人、30%が欧米人、20%が中国・韓国などアジア人、10%がインド人という比率です。
そのため、多くの現地人が英語を話します。もちろん、いわゆるピジン・イングリッシュ(現地化された混成英語)に近い部分もありますが、それでも英語圏の人々はタイで困ることは少ないでしょう。

一方、日本は「英語が通じない最後の先進国」という笑い話があります。
東南アジアのdeveloping country(発展途上国)の露天商のおじさんでも英語を話すのに、日本では小・中・高と英語教育を行っているにも関わらず、満足のゆくレベルで英語を話せる人はほとんどいないでしょう。
(個人的には日本国内においてはそれでいいと思います。英語が通じないことが、ある意味観光資源にもなり、いい意味でも悪い意味でも国際競争原理の参入障壁になっているのですから)

今回僕がバンコクを訪れた際、バンコク市内を自転車でめぐるというミニ・ツアーに参加してきました(自転車は僕の大好きな趣味のひとつです)。
こういったフィジカルなアクティビティに参加するのは欧米系が多く、実際アメリカ人が7人、中国人が1人、タイ人の女性のツアー・マネージャーと僕、という組み合わせでした。
まずツアーに先立って自己紹介をするというのがありました。もちろん英語です。この時点でやはりうまく話せませんでした。買い物や、道を尋ねる、許可を求めたり、お願いをするなど、限られたシチュエーションでは話せるのですが、フリートークとなると(正しい文法で話すには、どういう表現をすべきか)などと余計な考えが先立って、うまく言葉が出てこないんですね。会話とは当意即妙、ツーといえばカーが基本になるので、少し間があるだけでも成立しづらいのです。
それでも、中国人の男の人(おそらく20代)が積極的に話しかけてくれました。

彼(自己紹介で「イーボー」と名乗っていました)は、「typical(典型的・代表的)な日本の表現ってなに?」「ぼくの会った日本人はとても勤勉で真面目でとてもtypicalな日本人だったよ」と言っていました。
僕は「うーん、僕は休みの日にはゲームしてテレビ見て、マンガを読んでたりしてるよ。僕こそ”typical”だよ」というと、笑っていました。
イーボーはこうも言っていました。
「中国人の中には日本のことを悪く言う人もいる。でも、それはとっても少数だ。過去のことは過去のことだし、日本で起こった地震については僕らはみんな心を痛めている。いつの日か、きっと中国と日本が仲良くお互いに発展していける日がくると思う。ぼくはそれを願っているよ」

ちょっとしたツアーの中での何気ない会話だったのですが、日本人が忌避する習慣がある、政治的なニュアンスを含む会話を、真摯に語る姿勢に感銘をうけたのも事実です。
そして「あぁ、もっと僕は、日本人として、よりよく日本を発信していけるようにならなければならない」と強く感じました。

僕の教える子どもたちがそういう風に育っていってくれるようにすることが、大げさですが僕の使命だと思います。

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