進学塾nend

Nend Commnuity News 2015-12月号 電子版

   

「今月の言葉」

子どもにモチベーションのスイッチが入る時は3つある。

1)自分の中で目標が見つかった時
2)人に自分の得意なことを褒められた時
3)人のために働く時

―― 漆紫穂子先生(品川女子学院・校長)

トピック「家庭での勉強の取り組みについて」

お母様方はお子さんの勉強をどのように見ていらっしゃいますか。まず下のチェックシートであてはまるところに○印をつけてみて下さい。

check_03
さて、○の数はいくつありましたか。
私の考える「良い母親」とは、○の数が0個の母親です。○の数が3個以上あった場合、お子さんは非常にストレスを感じているでしょう。すべて○の場合には、間違いなくお子さんの成績は良くないはずです。これは二〇年間教えてきた私の経験によるものです。

子どもの勉強に積極的に口をはさむ親は、子どもの学習意欲を減退させています。
受験期を迎えた三年生の親に「この子は数学が苦手で、学校の先生にも『復習をしっかりするように』と言われました。今は中学一年生の正負の計算から毎日二十分ずつさせています」という方がいました。
私の本音では(余計なことをするな)の一言です。(念のためですが、上級学年なら、計算の復習は日々の問題をやっていくうちに自然と身につきます。そもそも復習などやっているヒマがあれば、今やっている勉強をがんばったほうが、ずっと能率的でやる気にもつながります)
親は子どもが勉強しないことには口を出すべきですが、子どもの勉強内容に口を出すべきではありません。

勉強熱心な親を持つ子どもには共通する特徴があります。無表情で、無気力、消極的で言い訳の多い子です。
こういった子は親を満足させるためだけの勉強になります。単語や漢字を意味なく練習し、教科書をまとめるなど、効果のない、形だけの勉強をしています。(つねづね言っていますが、勉強とは問題を解くことです)
試験の結果が悪いと怒られるため、言い訳に「クラスにうるさい子がいて勉強できない」「(塾や学校の)教え方が悪くてわからない」など、他人に責任を転嫁し、または試験前になるとなぜか体調を崩すなどします。

反対に、成績の良いお子さんの親は、子どもを信頼しているように思います。決して放任主義ではなく、勉強について過度に干渉することなく、必要な時に声をかけ、しっかりとほめてあげられる親です。
子どもには逃げ場が必要です。怒られたり、落ち込んだり、やる気が無くなったり、一人になりたいときに逃げ込むための居場所です。家庭で勉強についてぎりぎりまで絞り込まれると、子どもには逃げ場がなくなってしまいます。

誤解のないように言いますが、上のチェックシートの悪い点は、すべて「させている」点にあります。勉強は親がするものではありません。ましてや「させる」ものでもないのです。過ぎたるは及ばざるがごとし。何事も程度の問題なのです。

トピック「ねんちる」vol.94

数年前、当時小学6年生だったRくんはサッカーが得意で活発な、それでいてとてもやさしい子でした。Rくんは僕にとてもなついてくれて、僕もRくんが大好きでした。
あるとき、Rくんが「先生、今何か欲しいものある?」と訊くので、「そうだな、今財布がボロボロだから新しいの買おうか迷ってるんだ」と答えたら、なんと誕生日に財布をくれました。小学生が買える金額のものですから、ブランドではない、つるつるの合成ビニールの財布でしたが、僕にとっては涙が出るほどうれしい贈り物でした。

Rくんは平塚中等を受検したのですが、僕の力が及ばず、残念ながら不合格になってしまいました。
そのすぐ後、お母さんに連れられて、塾をやめると言いに来ました。作り笑いでニコニコしたお母さんの隣でうつむくRくんの表情が忘れられません。僕もRくんも、お互いにお母さんに罰を与えられたのです。
中学になり、利発的だったRくんは成績も上がらず、いわゆる不良グループと付き合うようになりました。
それから一度だけ、「塾に戻りたい」と僕のもとを訪れてくれましたが、その縁もありませんでした。

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