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教科書改訂にともなう今後の教育界

   

海老名商工会議所にて、好学出版およびブロッサム横浜(敬称略)主催の教科書改訂セミナーに出席しました。

今回の教科書改訂自体は、各教科ともマイナーチェンジにすぎません。
(もちろん、直接的に授業を通じて成績をあげることを使命としている私たちにとっては、些細なことであれ気になるところではありますが)
そのため、その細かな専門的な内容(たとえば三省堂の英語の教科書では、3年間に習う英単語数が教科書改訂前の1,235語から、1,232語に減ったなど)については、ここでは控えさせていただきます。

このページをご覧のスクール生、お母様方(そしてすべての方)には、今回のセミナーでうかがった、教科書改訂にともなう今後の教育制度の行く末についてお話しいたします。

今後の流れ

現在小・中学校では従前の黒板を主体とした受動的な授業(=パッシブ・ラーニング)から、自己表現と自律的かつ協働的な学び(=アクティブ・ラーニング)へと現場での改革がすすめられています。

しかし、高校教育の現場では従前の授業から大きく変えることは不可能です。現行の大学入試制度で問われる「学力」というものが、「膨大な知識のインプット・アウトプット」であるからです。
それでは大学入試制度そのものを見直そうではないか、という動きが背景にあります。

インターネット普及にともない、「学力」の定義も変わりつつあります。膨大な知識に誰もが簡単にアクセスできるようになった今日、「知識を選別し、判断を加えて表現する」ということが求められるようになりました。今回の教科書改訂はその流れにあるものです。

小学校の英語教育

2018年から(すなわち、2015年現在小学2年生の子どもたちから)英語が正式に教科となります。教科書・テスト・成績が与えられるということです。
週3コマ程度を想定しているようですが、現在の時間割ではコマ数の確保が難しいため、場合によっては15分程度の朝学習を帯で行うなどのかたちで対処するかもしれません。
現在の小学5・6年生は「聞く・話す」を主体として授業が行われていますが、今後は「読む・書く」ということも目標に加えられます。
首都圏の中学入試では、すでに30校以上で入試に英語が実施されています。今後ますます小学生の英語教育が広がっていくでしょう。

デジタル教科書

触れたり音声や動画で学習を助けるタブレット端末は、全国の教育現場でも実験的に取り入れられていますが、今後5年間で教育現場に本格的な導入が検討されています。その代表がデジタル教科書です。今回の教科書改訂でも、デジタル教科書をみすえて横長の版型をとりいれている教科書会社が多くみられます。単に教科書を電子化するというのではなく、端末で付箋やマーキングをしたり、テストを受けるなどして、その学習データをサーバで管理・運用するということが考えられています。ちょっとしたディストピアですね。

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