進学塾nend

Nend Commnuity News 2015-5月号 電子版

   

「今月の言葉」

勉強よりも大切なことがあるという人は、私たちが勉強のために勉強しているとでも思っているのだろうか。

トピック「何のための勉強か」

何のために勉強するのか、という子どもにとって永遠の命題ともいえるものがあります。お母さま方はどのようにお答えになっているでしょうか。次の話をお読みください。

“天才的に数学のよくできる中学生がいた。学校の教師は彼に非常に目をかけていて、行く行くは大学に進ませて立派な数学者に育ててやりたいと考えていた。
ところが、この子の家は非常に貧乏で、上の学校へ子供を進めてやれるような余裕はなかった。教師は八方手を尽くして何とか進学させてやろうとしたが力及ばず、その子は家の為に働くことになってしまった。
ただ、彼は数学をあきらめたわけではなく、仕事の合間にコツコツと独学を続けていたようだ。
それから三十年たった。今は老人になった教師の家に、ある日、その教え子が訪ねてきた。かつての少年も今は四十男になっていたが、彼は目を輝かせて一冊のノートを差し出した。自分は『大発見』をしたので見てもらいたいと言うのである。
教師が見ると、そのノートにはビッシリと数学の記号が書いてあり、それは連立方程式の解き方の論理だった。彼は働きながらその合間に独学で考証を深め、自分で方程式の理論を築きあげたのだった。”

どのようにお感じになったでしょうか。
実際に子どもたちに尋ねると、「えらいと思う」「貧しくても努力を続ければ、大きなことを成し遂げられる」という声が聞かれました。

しかし、この話が本当に伝えたいことはそうではありません。これほどまでに優れた人間が、連立方程式の解法という、中学生が誰でも知っている内容を解き明かすのに人生の大半を費やしたこと、その無意味さにあります。教育というのはそれほど尊いものであるということです。
何のために勉強するのか、という子どもたちの質問に対して、私は単純明快な答えをもっていません。ただ、ひとつ確かなことは、たとえ解の公式や承久の乱の年号、アンモニアの化学式を忘れたとしても、勉強は確実にその子を、広い視野で物事を見て、深く考えることのできる、よりよい人格にしてくれるということです。

私は子どもたちに次のように言っています。
「勉強は君たちにとって一番大切です。たとえ今やっていることを大人になって忘れてしまったとしても、勉強は確実に君たちの中に残ります。すべてのことが将来君たちの役に立ちます。このことを信じてがんばってください」と。

トピック「ねんちる」vol.87

頭の良さと、料理の腕前は正の相関にある。つまり、頭のいい子ほど料理は上手い。そりゃ、そうかもしれない。塩気と甘みをこれくらいの割合にすると、こんな味になる、なんてのは創造力や計算ができないととてもできないことだ。絵を上手に描くのに数学的な素養が必要であること同様に、おいしい料理を作るためにも数学的な素養がひつようになる。
毎年バレンタインのシーズンになると、いくつか頂き物をもらう場合がある。頭のいい子が作ったものは、本格的な味がする。勉強が苦手な子がつくったものは、なんというかトホホな味になってしまって、いじらしくなる。こんなところにまで勉強が関係するのかと思えば悲しいことだけれど。
勉強が苦手な子が、調理師の専門学校に進学しました、という報告をくれることもある。その後の様子は聞かないが、おいしいものが作れるようになっていたら、それは勉強や人間性がよくなっているのだろう。

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