進学塾nend

Trip to・・・

   

友人が海外での仕事を主軸にしているため、僕も近年友人と付き合って海外に行くようになりました。普段使わない英語を使えたり、普段目にしない異国の文化に触れると、心沸き立つ思いがします。特にアジア方面は経済も年々発展しており、バブル期の日本をみるような感じがします。

普段の生活で、私たちは異なった社会層の人間をめったに目にしません。きらびやかな衣服に身を包んだセレブや、生活に困窮している路上生活者、反社会的な団体を見ないのは、日本ではそれらの住む階層が異なっているからです。その意味で日本はいかに平等といえども、社会的な階層(ヒエラルキー)が存在するといっていいでしょう。
私たちは毎日の暮らしを決められた階層で過ごしているため、普段目にするものが私たちの世界の全てだと勘違いしがちです。その中で自己のパーソナルスペース(心的な縄張り)がどんどん肥大していき、その世界で自分はなんでもできると傲慢に振舞いがちです。会社で、駅で、家庭で、えらそうな上から目線で他人に講釈をたれたり、説教をしたり、怒鳴りつけたり、エゴを通したりします。

これが海外などに旅行に行くと、普段暮らしている自分の社会的な階層を出て、どこにも属さない宙ぶらりんな状態で放り出されます。空港を降りた途端、カバンを盗まれるかもしれません。タクシーの運転手に銃突き付けられ、有り金の全てを奪われるかもしれません。言葉も通じず、何の社会的な後ろ盾もない状態で、自分の身一つで自分を守らなければならなくなります。
外国では町で路上生活者を見かけることもよくあります。どの商売人であっても定価の数倍以上の値段をふっかけてきます。外国ではお金がすべてと考えている国のほうが多く、日本のように、お金よりも大切なことがあるという価値観のほうが小数派です。
こういったヒエラルキーの外側からその国の文化や、普段の私たちの生活を見直すことができるというのも、海外旅行の1つの優れた点です。海外に行って帰ってくると、いかに自分が、ちっぽけな世界で傲慢にふるまっていたか、いかに自分が日本の社会に守られてきたか、いかに身の回りの人たちの善意に支えられてきたかを感じることができます。
海外が身近になった昨今ですが、若い人たちにはぜひ旅行にでかけ、外側から日本を見つめなおしてみてもらいたいと思います。

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