進学塾nend

鶏口牛後は本当か

   

「鶏口となるも牛後となるなかれ」あるいは「鶏口牛後」という故事成語があります。
鶏の口(=弱い者の長、リーダー)となっても牛後(=強いものの後ろ、末端)となるなという意味で、「大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいということ(三省堂)」です。

これは必ずしも高校の選択にはあてはまらないものと考えてください。

進路についてよくある相談のうちの1つに、「無理してトップ校に入って勉強についていけないかもしれないことを考えると、1コ下げて準トップ校で上位を取れるようにがんばったほうがいいのではないでしょうか」というものがあります。

この相談に関する答えはこうです。
「手が届くレベルにいるなら、がんばってトップ校を狙ってください」

理由は次のようなものです。
トップ校は圧倒的に進学実績が良いため、指定校推薦の枠が準トップ校に比べて圧倒的に多いのです。トップ校の有するGMARCH以上の有名私大の指定校枠は、準トップ校の有する指定校枠の実に7~10倍以上になります。
つまり、準トップ校でGMARCH以上の大学の指定校枠が5枠(=5人)とすると、トップ校では35~50枠(=35~50人)までが指定校枠を利用して無試験で有名私大に進学できるのです。
つまり、準トップ校に進学すると学年でトップ5以内に入らなければ指定校枠が取れないのに対し、トップ校では35~50位でも指定校枠が取れます。
しかもトップ校で学年順位の高い秀才たちは、指定校枠を使わずに国立大学への進学、または早慶上理を目指しますから、指定校の枠が60~70位まで下りてくる可能性も高いのです。

また「少し下げて準トップ校で上位を狙う」という考えは、往々にしてうまくいきません。準トップ校であっても上位を取ることは並大抵のことではないからです。
「朱に交われば赤くなる」の故事成語にもあるように、1つ志望校を下げて入学した場合、たいていその高校の平均的な学力に染まってしまうものです。

このような理由から、トップ校を狙える力があるお子さんは、ぜひトップ校を志願してほしいと思っています。

 - 神奈川県公立高校入試情報, 勉強・学習