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英語の勉強のコツ

   

本屋に行けば、たくさんの英語学習に関する本が並んでいます。
英語を教えている人間が、何を一番にとらえるかはそれぞれの先生次第ではありますが、僕は英語は常々「品詞」が大事だと伝えています。

たとえば日本語で、
「彼は鷹揚にソファに座り、私の要求をがえんじなかった」
という文章があったとしましょう。

「鷹揚-に」「がえんじ-る(ない)」という意味がわからなくても、なんとなく『えらそうな態度で、要求を拒んだのかな』ということがわかるでしょうし、あるいは、意味がまったくわからなくても、スルーしてそのまま読み進めてしまうこともあるでしょう。

日本語で書いてある文章が、このように多少難しくても、なんの抵抗も感じずに読み進めることができるのは、1つには「鷹揚-に」という単語が、動作をくわしく説明するための、たんなる修飾語(副詞といいます)であり、文章を読み解く上では無視してもいい単語であること、「がえんじ-る(ない)」が、なんらかの動作を表す言葉(動詞)であり、「(相手の)要求を」につながる動作だから、「受け入れる・承諾する」という意味だろう、となんとなく予想がつくことにあげられます。私たちは知らない単語があっても、品詞でなんとなく区別をつけ、推測をしているのです。

これが英語になるとこうなります。

My cousin and I usually spent a good time in the wood during a day and then walked home together.

とくに難しい文法は使っていません。文法は中学1年生レベル、単語は中学生で習うものばかりです。

My cousin and I usually spent a good time in the wood during a day and then walked home together.

赤く色をつけたものは名詞です。名詞は、
①主語として文頭に使われる(My cousin and I
②動詞の目的語として動詞の後ろに使われる(a good time
③前置詞の後ろに使われる(the wooda day
のように、使われる場所が決まっています。また英語では、普通名詞には必ず a, an, the , my, this, that といった「冠詞」をつけなければならない決まりになっています。(My cousin、a good time、the wood、a day )

次に動詞です。
My cousin and I usually spent a good time in the wood during a day and then walked home together.

青く色をつけたものが動詞です。動詞は必ず主語のあとに置かれます。spent は主語 My cousin and I の後ろにあり(今回はusuallyという余計なものがはさまっていますが)、walked は直前に主語の My cousin and I が省略されています。

My cousin and I usually spent a good time in the wood during a day and then walked home together.

緑の色は副詞です。副詞というのは動詞を修飾するもので、なくても意味は通じますが、状況をより詳しく説明したり、程度を表したりします。通常は文章の後ろにくっつけます(hometogether)が、頻度を表すものは主語のあと、一般動詞の前に置きます(usually)。-lyがつくものは副詞ということも覚えておきましょう。
また、前置詞+名詞はセットで場所または時を表す副詞になります。(in the wood、during a day )つまり、これもなくても意味が通じます。

さぁ、ここまででこの文章を見てみると、

My cousin and I usually spent a good time in the wood during a day and then walked home together.

私のcousinは、よい時間spentし、そして歩いた

となります。これでほぼ十分意味が把握できます。

え、全然意味がわからないじゃないかって?いえいえ、まずはこれで十分なのです。私たちは人の話やテレビやラジオを聞くときにも、一語一句を把握しようとしていませんよね。英語だからと身構えて、いつでも全部が訳せないといけない、ということではないのです。

ちなみにcousinは「私の」と前についていますから、「家族、友人、同僚や先生など、なんらかの関係者」と予測できますし、spentは「よい時間を」につながりますから、「過ごす、費やす、持つ」などが予測できます。

つまり大事なことは、「日本語と同じように大まかな意味をつかみ、知らない単語は品詞と前後の文脈を頼りに考えること」なのです。

品詞を把握することで、並べ替え問題や英作文にも強くなりますし、長文が読めるようにもなってきます。

ちなみに全訳はこうなります。

私のいとこたいてい昼間の間、楽しい時間過ごし、そしてそれから、一緒に家へと歩いて帰った

普段の練習のときには、品詞に注意しながらしっかりと単語を訳したり、覚えたりし、試験ではざっと一読して文章の大意をつかむ、そういう練習をしてほしいと思います。

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