進学塾nend

YDKという幻想

      2015/02/27

“やればできる子”というフレーズの個別教室のテレビコマーシャルがあり、びっくりしています。
ここの塾は全国展開している教室なんですが、僕の考えといつも真っ向180°違うのでその考えや価値観に驚かされます。

“やればできる子”というのは、僕にとってはけなし文句、少なくともホメ言葉ではありません。今まで預かった子で、お母様から「”やればできる子”だと思うのですが…」とうかがったお子さんの100%が典型的な”ダメ人間”ばかりなのです。

まず、見た目は大人しいながら整った顔立ちで、利発的に見えます。表情には皮肉的な微笑が浮かび、笑顔がなかなかかわいらしい、男の子が多いです。彼ら(彼女ら)は、期待ばかりを抱かせながら、実際に一生懸命がんばることはしません。気まぐれで、ときに何か大きな目標を掲げたりしますが、実際に行動を起こすことは少なく、たいていが長続きしません。
親は本人がやる気になる環境を作ってあげようと、塾を変えたり、約束事(ときには、いい点数を取れば高額な品物を買ってあげるなど)をしたりしますが、どれも効果があがりません。

これは親が悪いのではありません。もともと”やればできる子”なんてものは存在しないのです。ただ、”淡い期待ばかりを抱かせる、怠け者の子ども”がいるだけなのです。

では、どういった対処がいいのか。
まず、”やればできる子”という幻想を捨ててください。そしてそこにいる”怠け者の子”に勉強をさせてください。途中に見せる真面目そうな態度や、「夜中までがんばった」という本人の申告は無視してください。あくまでも結果が出てから、その結果をほめてあげてください。
彼ら(彼女ら)は怠け者で、ずる賢く、ときには甘えてみせたり、ときには反抗的な態度でこちらを懐柔しようとしますが、決してこちらから迎えてあげてはいけません。

ここで「人間の評価は、何をやろうとしたかではなく、実際に何をおこなったかで決まる」ということを教えてあげないと、いつまでも「オレは(わたしは)やればできる人間なんだ。他のヤツラとは違うんだ」という間違った意識から抜け出せずに、自分の(ありもしない)居場所を求めてさまようことになりかねません。

少し言葉がキツくなってすみません。ただ、たくさんお預かりした生徒のなかで、このような生徒を多く散見し、彼ら(彼女ら)がなすすべもなく、あまり幸せでない状況に陥っていくのを見かけるからです。

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